あきりんの映画生活

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「アイガー・サンクション」 (1975年) 殺し屋イーストウッド雪山物語

1975年 アメリカ 128分
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、 ジョージ・ケネディ

山岳アクションもの。 ★★★

 

イーストウッドの監督第4作(だったはず)。
アイガー北壁を舞台にしたサスペンス・アクションもので、主役はもちろん自身で、格好良くて、もちろん女性にもモテモテといった人物像にしているところはご愛敬。

 

かつては登山家だったヘムロック(クリント・イーストウッド)は、今は絵の教師として暮している。
しかし彼にはCIAに依頼される一流のプロの殺し屋だったという過去があったのだ。
なに、登山家で絵画コレクターで、しかも殺し屋? 
なんか滅茶苦茶な設定だが、まあ、物語のためには目をつぶろう。

 

今回の依頼の制裁(サンクション)は、標的人物の名前も人相も一切不明というもの。
唯一の情報は、その標的がアイガー登頂を目ざす国際登山チームの一員であり、片足が不自由だということだけ。
仕方がない、俺もアイガー登頂のパーティに加わるよ。その途中で事故に見せかけて始末するよ。
おお、さすがは一流の殺し屋だ。

 

この映画の特筆点は、実写の山登り場面。
アイガーに登るために、ヘムロックは旧友のベン(ジョージ・ケネディ)とともに訓練を始める。
この練習風景からしてすごい。岩だけがそそり立っているようなとんがり山(?)に登るのだ。

 

CGなど使えない時代だから、これらの映像はみんな本物。すごい。
演じている俳優もすごいが、それをどうやってこのカメラ位置で撮ったのだろうと、それにも感心してしまう。
もちろん、ドローンもないわけだし。

 

そしてアイガーの麓にメンバーが集まってくる。
登頂隊パーティのメンバーはヘムロックの他に3人。そして麓には登頂隊を支援する隊長のベンが控える。
この隊の中に標的がいるわけだが、はて、誰なのだ?
メンバーは自信満々の鼻持ちならない奴や、美人の奥さんが浮気をしないかと心配している少し情けない奴などなど。

 

ついにアイガー登攀が始まる。
4人の男たちは助け合いながら垂直にそそり立つ岩壁をよじ登る。
私のような高所恐怖症の者には、もう映像を見ているだけで尿失禁してしまいそう(苦笑)。

 

そして山の天候は急に変化する。あっという間に猛烈な吹雪になってくる。
パーティは無事に下山することができるのか?
この山岳アクションの迫力はたいしたもの。これは見る価値あり。

 

そこにサスペンスを絡めているわけだが、こちらの部分はそれなりどまり。
ヘムロックと共に登攀した3人の容疑者はそれぞれの運命をたどり、で結局、標的は誰だったかというわけだが・・・。
まあ、ちょっと甘いかな・・・。

 

(言わずもがなのツッコミをひとつ)
ちゃんとした諜報機関が暗殺計画をしたのであれば、なんでわざわざ山でことを起こすのかが判らない。
山に登る前にでも仕事をしてしまえばいいのに(汗)。
でもそれじゃ映画にならないものねえ。