あきりんの映画生活

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「女と男の名誉」 (1985年)

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1985年 アメリカ 125分
監督:ジョン・ヒューストン
出演:ジャック・ニコルソン、 キャスリーン・ターナー、 アンジェリカ・ヒューストン

一目惚れした彼女は殺し屋だった。 ★★★☆

プリッツィ・ファミリーはニューヨークのマフィア一家。
その組織で殺し屋を務めるチャーリー(ジャック・ニコルソン)は、ファミリーの結婚式でアイリーン(キャスリーン・ターナー)に一目惚れしてしまう。
しかし、彼女はフリーランスのすご腕殺し屋だったのだ。

とこうくれば、思いだすのはアンジーブラッド・ピットの「Mr.&Mrs.スミス」。
あの映画でも、お互いに惹かれあった二人はそれぞれにすご腕の殺し屋だった。
あちらの映画では、おたがいに素性を隠し合うところがミソだったが、こちらの映画ではおたがいの仕事を納得の上で結婚をする。

ジャック・ニコルソンは何を演じても、ああ、彼だなあ、と思わせてくれる。
あの山形の眉と、三白眼のような油断のならない眼が、一筋縄ではいかない人物像を思わせる。

さて、話が動いていく。
しばらく前に、ファミリーの大金が強奪される事件があったのだが、調べていくうちに、その黒幕がなんとアイリーンだったのだ。
いくらチャーリーの嫁さんだといっても、このままほおっておくわけにはいかん。
このままではファミリーの名誉が踏みにじられる。
チャーリーよ、アイリーンを殺せ!

さて、かたや、メイローズ(アンジェリカ・ヒューストン)というファミリーのドンの孫娘がいた。
このメイローズがくせ者の女。
実は幼なじみのチャーリーのことが好きで好きで、婚約までしていたのだが、ある事情で破談になっていた。

えっ、あんな女と結婚してしまったチャーリーが許せないっ!
パパ、チャーリーを殺して。お願い。
このノメイローズは、女の弱さと可愛らしさと怖さをみんな抱えているような女性。
滅茶苦茶に印象深い。

メイローズを演じたアンジェリカ・ヒューストンは、もちろん監督の娘さん。
この映画でアカデミー助演女優賞をとっている。
それに、ジャック・ニコルソンとは20年近く恋人関係だったようだ。

で、娘に懇願されたパパ(もちろんマフィアね)は、腕利きの殺し屋にチャーリー殺しを依頼する。
その殺し屋とは、そう、アイリーンだったのだよ。

さあ、お互いに相手の殺しを依頼された二人はどうする?
アンジーとブラピの映画はどこまでも二人の甘い恋物語だった(あの映画の共演がきっかけで二人は実際に結婚したわけだし)。

しかし、こちらの結末はなんとも非情、皮肉いっぱいだった。
う~ん、これがおたがいに名誉を守ることだったのか・・・。