2000年 アメリカ 110分
監督:スティブン・ホプキンス
出演:ジーン・ハックマン、 モーガン・フリーマン、 モニカ・ベルッチ
心理サスペンス。 ★★☆
ハックマンとフリーマンのふたり芝居のような映画(ベルッチがアクセントのように割り込むが)。
場面はほとんどが警察の一部屋(事件の回想場面や、警察の向かいでのパーティの様子も時折入るが)。
う~む、ちょっと単調だったかな・・・。
舞台はプエルトリコの港町。
町の通りははフェスティバルでにぎわっていて、災害支援の募金を集めるためのパーティも開かれている。
この町の有名弁護士のハースト(ジーン・ハックマン)は、人もうらやむ美貌の妻シャンタル(モニカ・ベルッチ)と豪華な生活をしていた。
しかし、折しもこの町で起こった連続少女レイプ殺人事件の犯人として、ベテラン警察署長ベネゼー(モーガン・フリーマン)が目をつけたのは、なんとハーストだった。
実は冷え切った夫婦関係だったハーストとシャンタル。
そしてハーストには、人にはあまり公言できない性癖もあったのだ。
ベネゼーは事件の第一発見者だったハーストを執拗に尋問する。
そして証言の不確かな点、矛盾してくる点を執拗に問い詰めてくる。
マジックミラーのむこうでは、シャンタルも証言している。
彼女は何を語ってしまうのか・・・。
警察の前の通りではお祭り騒ぎが続いている。
そして壁一枚隔てた警察の部屋内では、じりじりとしたハーストとベネゼーのやりとりが続いている。
そりゃ、たしかにハックマンもフリーマンも上手い。
しかし二人の演技にあまりにも寄りかかりすぎたきらいがある。ちょっと残念。
(この二人は映画の制作者でもある)
モニカ・ベルッチは、さすがという妖艶な美しさだった。
大きく背中の開いた彼女のドレスのファスナーを上げてやるハックマンが羨ましかったぞ(苦笑)。
映画の眼目は、犯人が誰か?といったところにはない。
あくまでも連続殺人事件の容疑者にされたハーストの、そしてその夫に冷え切った愛情を抱くシャンタルの、心理を追うのが眼目。
事件が解決して、最後、お祭りの雑踏の中にぽつんとハーストが立っている。
もの言いたげにシャンタルが近づいていく。
しかし彼女を避けるようにハーストは無言でベンチに座り込む。
石像を挟んだベンチにシャンタルもまた無言で座り込む。
印象的な幕切れだった。