あきりんの映画生活

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「女神は二度微笑む」 (2012年)

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2012年 インド 123分
監督:スジョイ・ゴーシェ
出演::ビディヤ・バラン

インド製本格物サスペンス。 ★★★☆

冒頭に、地下鉄で起きた毒ガスによる無差別テロ事件が映し出される。
コルカタで起こった事件なのだが、まるで日本での地下鉄サリン事件を思わせる事件である。
さて、この事件が後の物語にどのように結びついてくるのか。

その2年後、連絡が取れなくなった夫を捜すために、大きなお腹の妊婦ヴィディヤ(ビディヤ・バラン)がロンドンからやってくる。
コルコタの警察にも相談するのだが、夫が連絡してきていたホテルにも勤務先にも、夫の存在を示す記録はなかった。はて?

この映画の一番の眼目は、なんといっても美貌のヒロインが妊婦であること。
それも臨月が近いのではないかと思えるほどにもうお腹も大きい。
見ている側は、妊婦さんがこんな異国の地でひとりで夫を捜し回るなんて、なんて大変なのだろうと、心配してしまう。

しかし、このヒロインは強いのである。お腹の赤ちゃんの父親を必死に捜すのである。母は強し、なのである。
そりゃ地元警察官だって、つい親切に協力してあげたくなる。
それに、このヒロインは知識階級で、ITの技術者だったりもする。
目を見張るような美貌の人妻で(インド映画のヒロインの美しさに外れなし!)、身重の妊婦で、IT技術者。
このヒロイン設定が作品を面白くしている。

さて、夫の足取りがまったくつかめないでいたところに、夫に瓜二つのミラン・ダムジという人物の名前が浮上してくる。
その人物は国家的な危険人物らしいのだ。
夫は彼に似ていたがために事件に巻き込まれた?

コルカタの街の風景がとても上手くいかされている。
退屈することなく観ていられるのだが、展開は割とゆっくりで、このあたりがインド映画らしいかなと思っていた。

ところが・・・最後にさしかかって、・・・おおっ!そうきたか!
なるほど、ヒロインは初めからこうあるべきだったのだな。なるほど。
最後で評価もアップしたぞ。

クライマックスのその日、街はちょうど戦いの女神ドゥルガーのお祭りの日だったのだ。
ドゥルガーは女神なのだけれども10本あまりの手にいろいろな武器を持つ戦いの女神。
邦題の”二度微笑む”の意味は良く判らなかったけれども、雰囲気的には好いタイトルと思える。

この映画もすでにハリウッドでのリメイクが決定してるとか。
インド映画も歌と踊りだけではないことがアピールされてきている。
人間ドラマでも秀作がいくつもあるし、アクション映画では007並の「タイガー・伝説のスパイ」があった。
サスペンスものではついに本作が登場してきたなあ。