2013年 アメリカ 103分
監督:ニールブロムカント
出演:マット・デイモン、 ジョディ・フォスター、 シャールト・コプリー
SFアクションもの。 ★★☆
貧富の差が極端にすすんだ未来世界での物語。
監督は「第9地区」のニール・ブロンカンプ。
あの映画は難民となって地球へやってきたエイリアンが差別される弱者として描かれていて、衝撃的だった。
この映画では、同じ地球人での貧富の差が、生命の重さの差にまでなっている世界を描いている。
未来、人口は増加し、環境は破壊され、地球は荒廃している。
どこまでもゴミが散らばり埃だらけのスラム街が続き、その中に立つ高層ビルも刺々しくさまざまなものを突き出している。
自然はなく、無秩序に物が氾濫しているような、美の対極にあるような風景である。
その映像には感心する。地球はなんて汚れてしまったのだ!
て。一部の富裕層はスペース・コロニー“エリジウム”を建設し、そこで緑と快適な設備に囲まれた優雅な生活を送っている。
気持ちが安らぐであろうと考えられる限りの人工的な世界だ。
そこでは、なんと、どんな病気も直すことの出来る医療ポッドも各家庭にあるのだ。
過酷な労働生活をしている主人公のマックス(マット・デイモン)は、放射能事故に遭い、余命5日になってしまう。
さらに幼い頃から慕っていた彼女の子供も不治の白血病に罹っている。
自分が生き延びるためには、そして彼女の子供の病気を治すためには、エリジウムの医療ポッドで治療する以外にない!
エリジウムへ不法潜入して病気を直すぞ!
事故にあって死にかけているマックスは、体を強化するためにサイボーグ手術を受ける。
脳には何やらの記憶装置を埋め込み、手足や身体にはむき出しの強化ユニットを取り付ける。
バトルスーツを着るのではなく、金属ユニットを直接人体に取り付ける。
見るからに、マックス、痛そう!
どう考えたって取り付けた金属部分が皮膚を引っ張るでしょ。なら、痛いでしょ!
しかし、マックスはそんな痛そうな気配は少しも見せないのだ。
なにしろヒーローなのだから。
おまけに脳に取り付けた記憶装置には、エリジウムの存亡に関わるプログラムを記録してしまったのだ。
さあ、マックスの脳内記録がすべての命運を握ることになったぞ。
エリジウム側の悪の大将がジョディ・フォスター。
なかなかに憎々しげなのだけれども、迫力はもう一つだったかな。
物語の展開には特に驚くような部分(新鮮な部分)はないが、代わりに大きな破綻もない。
前作に比べればメッセージ性は希薄になっており、エンターテイメントとして楽しめるものになっている。