あきりんの映画生活

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「大列車強盗団」 (1967年) こら、手袋を外すな、指紋が残るだろ

1967年 イギリス 114分  
監督:ピーター・イェーツ
出演:スタンリー・ベイカー、 ジョアナ・ペテット

大がかりな大金強奪作戦。 ★★☆

 

冒頭に、ロンドン市内での宝石強奪事件が起きる。
宝石商の車を事故にあわせて救急隊員に扮した犯人たちが、意識不明の宝石商を誘拐してまんまとダイヤを奪い取る。
よし、これを資金にして大がかりな列車強盗団を結成するぞ。

 

この冒頭の事件のときに、宝石商を誘拐した救急車と警察の街中でのカーチェイスが始まる。
もちろんCGなどない時代の実写チェイス。迫力がある。
このカーチェイス場面に惚れ込んだスティーブ・マックィーンが、ピーター・イェーツ監督を「ブリット」に起用したとの話しが残っている。
なるほど、ね。

 

強盗団の首領ポール(スタンリー・ベイカー)は、15人の仲間を集める。
随分と大人数なのだが、狙ったのは夜行列車に積まれている数百万ポンドの紙幣。
これだけの人数がいないと奪ったお金を運び去ることもできない。それほどの大金を狙っているのだよ。

 

出演者は全員が知らない人だった。
そのために、お馴染み俳優が出ているときの娯楽映画雰囲気が減って、リアル感が増していた。
その代わり、登場人物を覚えにくい。あれ、こいつはどんな奴だったけ?(苦笑)

 

中盤は列車強盗の様子をていねいに描いている。
電気技師の仲間が信号を操作して列車を停車させ、どやどやと乗りこんで列車を制圧する。
そして山と積まれた札束の入った袋をバケツリレーの要領で何台もの車に移し替える。
上手くいったぜ。これで俺らは大金持ちだ。

 

盗んだお金は300万ポンド以上(日本円にすると5億円以上!)という巨額なものだった。
事件の翌日から世間は大騒ぎ、警察は大がかりな捜査を開始する。
おのれ、どこへ隠れているんだ?

 

映画はそつなく作られてはいる。しかし、全体の出来具合としてはそこまで。
この映画の一番の残念ポイントは、事件の派手さに較べて描き方が淡々としすぎていたこと。
ドキュメンタリーっぽいと言ったらいいのだろうか。
登場人物の人間ドラマも付け足しぐらいなので、感情移入をすることもほとんどなかった。

 

事件のあとはあっさりとしたもの。
仲間の一人が取り分を持って国外脱出しようと捕まり、そこから一味は一網打尽となる。
なんか一味はアジトにいつまでも残っていたような雰囲気もあって、時間経過も曖昧になっていた。
首領のポ-ルだけはまんまと逃げのびたようだったが・・・。

 

この映画は実際に起った事件を元にしているとのこと。
(実際の事件でも、この映画制作時には首領は未だ捕まっていなかったとのこと。)
同じ事件はドイツ映画「史上最大の列車強盗」でも描かれていたとのこと。そちらはどんな具合だったのだろうか。