1974年 アメリカ 108分
監督:マイケル・チミノ
出演:クリント・イーストウッド、 ジェフ・ブリッジス、 ジョージ・ケネディ
銀行強盗のロード・ムービー。 ★★☆
ロード・ムービーものには名作も多い。
有名なところでは「イージー・ライダー」があったが、個人的に好きだったのは「スケアクロウ」だった。
女性2人の「テルマ&ルイーズ」も面白かった。
この映画も前半は男二人の(逃走しながらの)ロード・ムービー。
牧師になって身を潜めていたジョン(クリント・イーストウッド)は、昔の仲間レッド(ジョージ・ケネディ)に命を狙われている。
這々の体で逃げ出したジョンは、気ままな旅をしているライトフット(ジェフ・ブリッジス)と知り合う。
苦虫をかみつぶしたようなイーストウッドももちろんよかったのだが、この映画はなんと言ってもジェフ・ブリッジスだろう。
チャラいんだか、チャラくないんだか、よく判らないような青年像がよかった。
ブリッジスと言えば後の名脇役だが、このころから萌芽はあったわけだ。
実はジョンは、サンダーボルトとの異名を持つ銀行強盗だったのだ。
レッドと一緒に手に入れた大金を未だ手つかずに隠してあったのだ。
こうしてレッドに追われながら、ジョンとライトフットの珍妙な旅が始まる。なかなかのコメディ・タッチもあるのだ。
隠してあったはずの大金がなくなっていることを知った彼等は、なんともう一度銀行強盗を企てる。
レッドと彼の仲間も加わっての4人組。
さあ、サンダーボルトの異名の由来となった重機関銃のお出ましだぜ。
(しかし、あんな重機関銃をどこへ隠していたんだ?)
こうして後半は一転してサスペンス風味となる。
このあたり、綿密な時間繰りまで計算した強盗計画なのだが、どうも緊張感が少ない。
前半のロード・ムービー部分とあまりしっくりかみ合っていない感じがする。
ありゃ、そんなことになっていたのか、という展開が最後にあって・・・。
ロード・ムービーはどこかで終点に向かわなければならない。
そして、どの映画でも、旅の終わりはたいていは哀しいものなのだ。
シリアス路線が多いイーストウッドの映画のなかでは珍しくコメディ・タッチが混じります。
そのせいか、切れ味はもうひとつという印象でした(もちろん駄作というわけではありませんよ)。
この映画には一人も女性がでていなかったのでは?と思うほどに、男の(友情の)映画でした。