あきりんの映画生活

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「ダーティ・ハリー」 (1971年)

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1971年 アメリカ 102分
監督・ドン・シーゲル
出演:クリント・イーストウッド

いわずとしれた刑事ものシリーズ第1作。 ★★★☆

刑事ものの傑作映画といえば、「フレンチ・コネクション」とか「ブリット」とならぶこの映画。
マカロニ・ウェスタンものとこのシリーズがイーストウッドの俳優の地位を固めたといえる。
音楽はラロ・シフリン
あの当時のフュージョン・ミュージックぽい軽快なメロディが心地よい。

サンフランシスコ市警のハリー・キャラハン刑事(クリント・イーストウッド)は、いつも汚れ仕事をまかされることから“ダーティハリー”と異名をつけられていた。
手にした大型拳銃マグナムは伊達じゃないぜ。

このシリーズは第5作まであるが(ドン・シーゲル監督は第1作のみ)、今回のキャラハンの相手はライフルを使う連続殺人魔。
山田康雄の吹き替え版で観る。やっぱりハリー・キャラハンの声はこれだよね。

この映画の魅力の大部分は、ハリー・キャラハンの人物造形にあると言ってもいいだろう。
上司やお偉方に反抗してまで自分の信じた操作を貫くその反骨魂。
法律に抵触することにもおかまいなしに、犯人を憎むその一途な行動。
自分の身体を張って自分の正義を貫こうとしている。
そこが格好好いのだろうなあ。

印象的な場面も少なくない。
冒頭で入ったカフェの向かいの銀行に押し入った強盗を倒す場面。
マグナムを犯人に突きつけての、あの名台詞、「この銃にまだ弾が残っているかどうかを考えているんだろ、俺も数えるのを忘れたので判らない、試してみるか?」

犯人が身代金を入れたカバンを主人公に持たせて、電話で次々に行く先を指令する場面。
時間までに次の電話の場所にたどり着けなかったら人質の命はないぜ。
走り回されてふらふらになる主人公。

これと似たような状況はこのあとの映画でも何回か見た。
あの「ビバリーヒルズ・コップ」でも主人公が同じように電話の指示で走り回されていた。
おそらくこの映画が、犯人のこのやり方のオリジナルなのだろうと思っているのだが。

幼稚園バスをのっとった犯人が逃走しようとしている時に、前方の陸橋の上に仁王立ちになったキャラハンを見つける場面。
あそこは、思わず、おお!と言いたくなる。

犯人を倒して映画は終わっていくのだが、この手の刑事ものの名作の最後は何か虚しさのようなものが漂う。
あの「ブリット」でも、最後に疲れきったようなスティーブ・マックィーンが静かに銃を置くところが印象的だった。

終始苦虫をかみつぶしたような渋面のイーストウッド
そういえば、大笑いをしたイーストウッドなんて観た記憶がないなあ。

この映画の最後で警察バッジを棄ててしまったキャラハンは、第2作からはどうしたのだっけ?