あきりんの映画生活

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「ジーサンズ はじめての強盗」 (2017年) 名優3老人の競演ですよ

2017年 96分 アメリカ 
監督:ザック・ブラフ
出演:モーガン・フリーマン、 マイケル・ケイン、 アラン・アーキン

ゆる~い犯罪コメディ。 ★★☆

 

ウィリー(モーガン・フリーマン)、ジョー(マイケル・ケイン)、アル(アラン・アーキン)の仲良し3人は平和な老後生活を送っていた。
同居したり、向かいの家に住んでいるのに、わざわざ3人でダイナーに出かけてお茶をしてパイを食べる。これ、幸せだろ。


ところが、突然年金が打ち切られ、銀行も冷たい素振り。
これは困ったぞ、楽しみだったパイも食べられなくなってしまったぞ。

 

よし、こうなりゃこの前遭遇した銀行強盗を俺たちもやって、自分たちの年金を取り戻そう!
アメリカってそんなに銀行強盗が多いのか? そりゃあ銃を誰でも持てる国だけれど・・・。
それにしても、よろよろ3人組でそんな大それたことができるのか?

 

年寄りには残された時間が少ない、ということは失うものもそれほど多くないということになる。
ある意味、これはものすごく強いことである。
恐いもの知らずになれるのだ。
ということで本当にやってしまうのだよ、銀行強盗!

 

アカデミー賞受賞者ばかりの名優3人は、さすがに余裕のある演技で魅せてくれる。
そこはかとないペーソスとユーモアを交えてよい案配にゆる~い雰囲気でもある。
そしてこの3人が悪口を言い合いながらも仲が好いことがしみでてきている。
おそらくは幼なじみから続いている付き合いなのだろうなと思わせる親密さだ。気持ちよいねえ。

 

この主役3人の年寄りぶりに振り回されるわけだが、そこに加えてクリストファー・ロイドまで登場してくる。
バック・トゥ・ザ・フューチャー」でもかなりボケをかましてくれていた彼だが、本作では本当に呆けた役。
いつかは自分もああなるのではないかと思うと、可笑しいよりも哀しくなってくるほど。

 

アルは元ジャズプレーヤーでもあったようなのだが、彼に何かとアプローチしてくるスーパーマーケットのおばさんがいる。
魅力的なおばさんで、この女優さんはいったい誰だろう?と思いながら観ていた。
なんと、かつては女性版エルビス・プレスリーと言われていたアン・マーグレットだった!
この映画の時は70歳半ばのはずだが、色気が充分に残っているところがすごい。

 

さて。てんやわんやと銀行強盗がおこなわれ、もたもたしながらも(映画だから)上手くいくのだよ。
目撃者の可愛い女の子に助けてもらったりしてね(この場面、ほっこり 嬉)。

 

最後の場面、ウィリーが教会に集まったみんなの前で、アルは好い奴だった、とスピーチを始める。
ああ、そうか、彼が旅立ったのかと思わせておいての粋な締めだった。

 

それに、銀行強盗を手伝ってくれた義息子が、年寄りは敬わないとな、といつか聞いた台詞を言う場面にもニヤリとしてしまった。
そうか、あの時の覆面男はお前だったのか・・・。

 

楽しい映画でした。
お年寄り主役のお伽噺と思って観るのがよいかもしれません。