2003年 日本 118分
監督:当摩寿史
出演:渡部篤郎、 シュー・ジンレイ、 ドン・ジェ
正統的な悲恋物語。 ★★☆
自殺未遂を起こすほどに傷ついた青年、早瀬(渡部篤郎)は、不治の病を抱えたミン(シュー・ジンレイ)と異国の地、上海で出会い。恋に落ちる。
どこかの国のドラマのように主人公が記憶喪失になったり異母兄弟が現れたりはしないが、充分に悲恋ドラマのお膳立ては揃っている(笑)。
展開も予定調和のようにすすんでいく。
「死にたいのに死ねなかった」と言う早瀬、「生きたいのに生きられない」と言うミン。
二人は夜の上海を彷徨う。美しい夜景、美しいシュー・ジンレイ。
姉の病のことを知らない妹リン(ドン・ジェ)も、姉と早瀬の関係に気づかずに、やはり早瀬に一目惚れしてしまう。
暗い影を持ったようなミン、明るく無邪気なリン。
ちゃんと恋のかき回し役もいる(笑)。
シュー・ジンレイは中国4大美人女優の一人とのこと。へえ~、あとの3人は誰?
大学生役のドン・ジェも可愛らしかったが、こちらはチャン・イーモー監督の「至福のとき」の盲目の少女役だった子。
こんな美人姉妹なのに、お父さんは気のいいただのおじさん。早くに亡くなったというお母さんが美人だったのに違いない。
言葉は錯綜していて、早瀬とミンは英語で会話をする。早瀬とリンは日本語で会話をする。姉妹は父親と中国語で会話をする。
海外転勤してきた早瀬は仕事にも自棄になっていたのだが、ミンと知り合って立ち直っていく。
しかし、二人には残された時間がわずかしかない。
(以下、ネタバレ?)
最後近くになって、早瀬がミン一家と和やかに食事をする場面がある。
早瀬が3人の家族写真を撮ると、ミンが、私一人の写真も撮って、と言う。
映画を観ている人は皆、ミンが考えたことは判るので、ああ、と思うのだが、この映画の最大の失敗点は、そのことをミンに語らせてしまったこと。
あの台詞、「お母さんの写真に並べて飾ってもらうから」はない方が絶対に好かった。
お約束の設定があって、お約束の展開があって、お約束のエンディングへ向かいます。
そんな映画が好きな人向けです。
某国ドラマ「冬の~」などが好きな人だったら気に入ると思います。