あきりんの映画生活

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「ハイ・ヒート」 (2022年)それ以外は全部嘘よ 

2022年 84分 アメリカ 
監督:ザック・ゴールデン
出演:オルガ・キュリレンコ、 ドン・ジョンソン

コミカル風味のアクションもの。 ★★

 

新規開店したフレンチレストランは、オーナー・シェフのアナ(オルガ・キュリレンコ)の念願の夢だったもの。
フロアマネージャー役の夫レイは巧みな話術で客をもてなしている。
アナの包丁さばきも軽快で、華やかに賑やかに忙しい店は活気に満ちていた。

 

ところがそこに不穏な空気を漂わせる二人の男があらわれる。
実はレイはマフィアのドムに大金を借りており、その返済期限が今日だったのだ。
ドムの手下の二人がすごむ、さあ、返してもらおうか。駄目なときはこの店を燃やしてその保険金で払ってもらうぜ。

 

副題が「その女、諜報員」と、ネタは始めからばらしている。
ポスターの惹き文句も「表の顔はフレンチシェフ しかしその素顔は世界最強のスパイ」。もうこれですべて。そんな映画。

 

そういえば、オルガ主演の「その女諜報員 アレックス」というのもあったな。
ちなみにあの映画の私の感想は「オルガ・キュリレンコのPVを観るつもりで楽しみましょう」だった。
結論から言って、この映画もそんな感じだった。

 

夜遅く、アナが一人で明日の仕込みをしていると、ドムの手下がレストランに火をつけようとやってくる。
私の店を燃やすなんてそんなことはさせないわよ。
アナは容赦ない体術で二人をたたきのめし、冷凍室に遺体を収容する。
ドムの元に呼び出されていたレイが戻ってきて、その有様を見て驚く。俺の妻はいったい何者なんだ?

 

普通の主婦と思われていた妻が実は凄腕諜報員だったという設定では、ジーナ・デイビスの「ロング・キス・グッドナイト」が好かった。
邦画では綾瀬はるかの「奥様は取扱注意」あたりかな。

 

アナは元KGBの凄腕エージェントだったわけだが、レイがおそるおそる尋ねる、他に隠していることはないか?
アナが答える、料理が好きなこと以外はみんな嘘よ。・・・そんなあ。

 

オルガ・キュリレンコのスタイルの良さには感嘆する。さすがモデル出身のことだけはある。
007/慰めの報酬」のボンド・ガールになったのは29歳の時だったが、正直なところ、あの頃の彼女はまだオーラは少なかった。
しかし本作では43歳になっているはずだが、その存在感はすごくなっている。

 

さて。
この映画、彼女のアクションを見せるのが最大の(それだけの、とも言える)売り。
ストーリーなんてあってないようなもの。
虚勢を張っているドムの息子が次々にレストランに送り込んでくる手下を片っ端から返り討ちにしていく。

 

援軍を4人ほど寄越してくれ。いや、15人だ。
父親にどやされるこのダメ息子が結構コミカル担当だった。
刺客にさせられたマッサージ師なんて、もう不憫すぎて笑えてくるほど。

 

観ている間はオルガ・キュリレンコの魅力で充分に楽しめます。
あとには何も残りませんが・・・。
それにしても、アナはどうしてこんな旦那を選んだのだろう? そこが謎だったな。