監督:ジャック・スマイト
出演:ポール・ニューマン、 ローレン・バコール
ハード・ボイルド。 ★★☆
原作はロス・マクドナルドの私立探偵もの。
しがない私立探偵が主人公の、ちょっと懐かしい匂いを残したハードボイルドもの。
私立探偵のハーパー(ポ-ル・ニューマン)は行方不明になった大富豪の捜索を請け負う。
富豪婦人(ローレン・バコール)には身代金の要求が届く。これは誘拐事件だったのか・・・。
ハーパーはお金の受け渡し場所へ向かうが、まんまとお金を持って行かれてしまう。
登場人物はかなり多く、人間関係も注意していないと混乱する。
しかし、謎とか、物語そのものはとりたてて言うほどのものではない。
人間関係は絡みあっているが、結局の犯人は誰であってもかまわないようなもの(苦笑)。
これは、そんな謎解きを楽しむ映画ではなく、ポール・ニューマンの探偵ぶりを楽しむ映画。
洒落た台詞があちらこちらにある。
真似してみたくもなるが、あれはニューマンだから決まるのであって、現実世界で私が言ったら滑りまくった漫画以外の何ものでもないだろうな(苦笑)。
私立探偵といえば、ロバート・ミッチャムやハンフリー・ボガードも演じているのだが、ニューマンは彼らに比べて崩れた感じがない。
自分に対して律儀な感じが強い。
うらぶれた生活をしていて、困ったときだけ元妻(ジャネット・リー)のところに転がり込むような軟弱な面をみせても、どこか真面目。
そこが目っ垂れミッチャムや鼻声ボガードと違うところ(あ、私は3人とも好きなんですよ、念のため)。
ハードボイルドというのは、どこか寂しい雰囲気を漂わせる。
主人公である探偵が関わっていく人間関係が、どこか薄ら寒いものであることが大部分であるし・・・。
この映画も、ちょっと剽軽なのだけれども寂しい男が主人公でした。