1966年 アメリカ 100分
監督:リチャード・フライシャー
出演:スティーブン・ボイド、 ラクエル・ウェルチ
懐かしい特撮もの。 ★★☆
SF映画では宇宙空間を始めとする異世界への旅、そこでの冒険が王道となる。
これは50年前のSF映画。旅立つ先は人体の中。
この発想は当時としては斬新なものだったと思える。映画の冒頭には、医学者たちの助言・協力への謝辞が書かれていた。
要人の脳幹部の血腫を除去するために、ミクロの大きさに縮小された5人の科学者グループが特殊潜航艇に乗り込んでその体内に入っていく。
血液の流れに乗って体内を移動していくのだが、当時の特映技術を駆使したのだろう。楽しめる。
科学者グループの中には、どうやら敵のスパイもいる様子。
要人に意識を取りもどされては困るので、どこかで邪魔をしてくるはず。といったサスペンス要素も取り入れている。
基本的にはアドベンチャーもの。
ジャングルや宇宙空間の代わりに人体の中の冒険旅行だぜ。いぇい。
しかし、身体を傷つけられていると認識した身体は、異物を排除しようとリンパ球やら白血球で襲いかかってくる。
これに捕まったら逃げられないぞ。
それに、壁を破ってしまって潜行艇は流れの速い動脈の中に入り込んでしまったりする。
さあ、大変、心臓の拍動に巻き込まれたら潜行艇は木っ端微塵だぞ。
うまくレーザーで血腫を除去できるのか、そして無事に体外へ脱出することはできるのか。
少年少女冒険大全集といった雰囲気で(そういえば、かっての少年マガジンや少年キングには二色カラーぐらいで空想科学的な頁があったものだった)、たわいもなく楽しめる。
ひとつツッコミを。
ミクロ化した物体は60分たつと元の大きさに戻ってしまう、というタイムリミットもあった。
無事に涙と一緒に脱出した主人公たちは元の大きさに戻ることができた。めでたし、めでたし。
しかしすると、要人の身体の中に置いてきてしまった敵の死体や潜行艇は60分後にはどうなったのだ?
話が合わんぞ(笑)。