1990年 日本 117分
監督:黒木和雄
出演:原田芳雄、 勝新太郎、 樋口可南子、 石橋蓮司
ばっさばっさのチャンバラもの。 ★★☆
舞台は江戸の下町。薄汚い浪人たちが底辺の暮らしをしている。
そんな町で、毎夜、遊女が斬られていく事態が発生した。
犯人は、権勢をかさにきて遊び半分に人を斬っている旗本一党だった。
場末には女たらしの浪人、原田芳雄がいて、その彼に惚れている遊女の樋口可南子がいて、大口ばかり叩いている勝新太郎がいて、刀の試し切りを引きうける浪人の石橋蓮司もいる。
訳ありの事情で仕官を夢見ている田中邦衛もいる。
まあ、そうした場末の、少し捻れた友情や、色恋模様などの人間ドラマが描かれていく。
そしてこの映画のクライマックスは、3人の浪人と100人以上の旗本との、大チャンバラ。
樋口可南子を捕まえて牛裂きにしようとして旗本たちが森に集まる。
ついに堪忍袋の緒が切れた浪人たちが一人、また一人と森へ駆けつける。
まずは彼女を助けようとして、単身乗り込んできた原田芳雄。
腰にはありったけの刀10本ぐらいを差している。異様な出で立ち。
二刀流でばっさばっさと取り囲む旗本たちを切り倒していく。強い。
しかし、原田も疲れてくる。とそこへ、白装束姿の石橋蓮司が駆けつける。
石橋も強い。
ばっさばっさと旗本たちを切り倒して、死に装束は返り血で真っ赤に染まっていく。
とそこへ、なんと鎧甲冑で完全武装(!)の田中邦衛が馬に乗って駆けつける。
頼りなさそうに見えていた田中だが、実は彼も強かったのだ。
こうして3人が大暴れをするのだが、あれ?勝新太郎はどうした?
実はこの映画の勝新は、超ヘタレ。超小物。
大酒を飲んで大口を叩いていながら、仕官のためには悪旗本の腰巾着になる。
プライドも友情も何もかも捨てて、みっともない様子をみせる。
へえ~、天下の勝新もこんな役を引きうけたんだ・・・。
勧善懲悪、勇壮無比、お堅いことは何も言いっこなしの時代劇。
とにかく大チャンバラを観るための映画です。
(上のポスターの原田芳雄、まるで「ランボー」のようだ(笑))