あきりんの映画生活

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「戦闘機対戦車」 (1973年)

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1973年 アメリカ 73分
監督:デビッド・ローウゥエル・リッチ

砂漠での追いかけっこ。 ★★

タイトルから判るように、一応は戦争映画である。
しかし、タイトルから想像するような、手に汗握る空と地上の一騎打ち、ではない(苦笑)。
飛べなくなった連合軍の戦闘機と、ドイツ軍戦車パンツァーが砂漠上で延々と追い駆けっこするお話である。

戦争映画なのに、驚くほどの低予算だったのだろうと思わされる。
登場するのは2機の戦闘機と1台の戦車だけ。これだけ。
途中でちょっとだけ別の小型戦車があらわれる(これは登場して数分で破壊されてしまう)。
登場人物も、オープニングを除けば、連合軍2名、ドイツ軍4名。これだけ(笑)。

全滅してしまったドイツ軍地上部隊。そこから一人の将校が生きのびてあらわれる。
砂漠を彷徨っていた彼は、一台の無傷の戦車と出会う。
砲弾は残っているか? 燃料はあるか?
はっ、充分に残っております。
では儂が指揮を執るぞ。もうひと合戦するぞっ!

とそこへ、やって来た連合軍の2機の戦闘機。
1機は機関銃で墜落させられ、残りの1機も翼を撃たれて飛べなくなってしまった。
よし、あの戦闘機を破壊するぞっ! 追いかけろっ!

こうして、偏執狂的な将校に指揮されたドイツ軍戦車と、飛べなくなって地上を走るだけの戦闘機の、砂漠での追跡劇が始まる。

この映画は低予算/B級映画として一部の間ではそれなりに有名らしい。
そりゃこの設定なら、戦争映画であってもロケ地にも困らない、エキストラも要らない(笑)。
アイディア勝負の1作だな。
(しかも、ドイツ軍のパンツァー戦車とされているのは、実は米軍のM4中戦車のシャーマンだとのこと)

とにかく狂気のドイツ軍将校が好い。
絶望的な戦局や、負傷している部下のことなどまったく考えずに、ただ目の前の戦闘機を追うことだけに執念を燃やしている。
当然、部下たちは次第に不満を募らせていく・・・。
あとで調べてみると、この将校を演じていたのは、あのジェフ・ブリッジスのお父さんだった。

ということで、発想は面白く、途中まではふんふんと観ていられた。
しかし、残念なことに、物語が発展しない。
いつまでもただの追いかけっこが続く。後半はちょっとだれてくる。
(こう考えると、スピルバーグのあのただの追いかけっこ映画「激突!」があれだけ面白かったのは、やはりすごいことだったんだ)

ツ○ヤの良品発掘コーナーにありました。
以前から気になっていたので観たのですが、時間の余っている方以外にはお勧めしませんね(苦笑)。