1970年 アメリカ 98分
監督:ヘンリー・ハサウェイ
出演:リチャード・バートン
戦争娯楽映画。 ★★
かっては戦争映画は娯楽アクション映画の一分野だった。
いつからか、戦争を題材とした映画はその悲惨さをリアルに描くものとなっていった。
その転換点は「地獄の黙示録」(1978年)あたりではなかっただろうか。
この映画は1970年作。まだエンタメ映画として戦争が題材になっていたころのものだ。
ロンメル軍団といえば、砂漠の狐と言われたロンメル将軍が率いた無敵の戦車軍団。
北アフリカ戦線で圧倒的な強さで連合軍を打ち負かしていた。
この映画、タイトルからは一大戦車戦が描かれているのかと思ったら、まったくそうではなかった。あれ?
「バルジ大作戦」という映画があった。
あれはロンメル戦車軍団をやっつけるために、その燃料であるガソリン貯蔵庫を爆破しようとしたもの。
搦め手から攻めたわけだ。
この映画も前半は、そのロンメル戦車軍団の燃料補給庫の爆破大作戦。
後半は、ドイツのトブルク砲台を破壊するという、いわば「ナバロンの要塞」のような大作戦。
トブルクはエジプト近くの地中海に面した港町で、ここには海に面した大要塞があったのだ。
洋上からの攻撃をおこなうためには、まずここの砲台を破壊しておかなければならない。
主人公はイギリス・コマンド部隊のフォスター大尉(リチャード・バートン)。
彼がドイツ軍に潜りこんで捕虜を助けながら、一緒に任務を遂行していく。
戦争の悲惨さとかはまったく描かれない。
戦争は単にアクション映画の題材として使われているだけ。
いわば荒唐無稽なスパイ大作戦ものでビルが派手に爆破されたりするのと同レベルで描かれる。
そういう時代の映画だったのだ。
今、わざわざ観る映画かと言われれば、答えは、否、であるだろうなあ。
(じゃあ、何故観たんだよ、と言われてしまいそう・・・ 汗)