あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「フリーダム・ライターズ」 (2007年)

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2007年 アメリ
監督:リチャード・ラグラベネーズ
出演:ヒラリ-・スワンク

熱血教師物語。 ★★★

実話を基にしたひとりの熱血教師とその教え子の物語。
こんな嘘のような素晴らしい話が実際にあったのか、と感慨にふけってしまう。
主役のヒラリー・スワンクもまさに適役だった。

時は、あのロス暴動直後の1994年。アメリカ中で人種問題がくすぶっていた頃。
舞台は、ロサンゼルスの郊外ロングビーチにあるウィルソン高校。
そのウィルソン高校に、志をかかげて新任教師エリン(ヒラリー・スワンク)が着任してくる。
実は、この高校はあらゆる人種の生徒を受け入れるようになって、様々な問題を抱えていたのだ。

私の知り合いには中学校の先生もいるし、高校の先生もいる。
折に触れて話を聞くと、荒れ始めたクラスはもうひとりの力ではどうにもならなくなっていくそうだ。
なかなか有効な手立てもなく、無力感を否応なく味わされるとのこと。

さて、そのウィルソン高校に通う生徒達の日常は、ラテン系、アフリカ系、アジア系などの人種対立が烈しく、街の治安も悪化。
常に生命が危険にさらされているような厳しいもの。
卒業まで生きていられるかということが問題になるような学校で、勉強しようとする生徒などいる?
教師達も彼らが学校を去っていくのを傍観しているだけ。

そんな生徒達にエリンは笑いかけ、なんとか話しかけようとする。
しかし彼らは白人のエリンに反発するだけ。エリンの言葉を聞く耳を持たない。
普通はここでくじけるよなあ。無力感で諦めてしまうよなあ。
しかし、エリンはやるのです。

彼女がしたことは、自費で購入した日記帳をクラス全員に配ること。
そしてなんでもいいから、短くてもいいから、私に見せなくてもいいから、毎日何かを書けという。
憎悪と対立だけだった生徒達は、やがて自分の本音を書くことによって気持ちがほぐれてくる。
ロッカーにはエリンに読んで欲しいと日記帳が積まれるようになる。

エリンは生徒達が知らなかったホロコーストについて話して聞かせる。
それまでホロコーストを知っていたのはクラスで1人だけいる白人の生徒だったのだ。
その白人の生徒を除いた全員が銃で狙われたことがあったのに。

やがて、これまでのほとんどの生徒が学校から脱落していったのに、彼らはそろって進級していく。
このクラスに仲間といることに喜びと誇りを持つようになる。素晴らしい。

彼らの日記を集めた実際の本が原作の映画です。
こんな奇跡のようなことが本当にあったのだなあ。