2006年 アメリカ 115分
監督:クレイグ・ブリュワー
出演:サミュエル・L・ジャクソン、 クリスティナ・リッチ
異常な状況下でのヒューマン・ドラマ。 ★★
アメリカ南部の田舎町を舞台。
セックス依存症の若い娘を鎖でつないで矯正させる初老の黒人が主人公、という筋立てからは際物的な雰囲気も想像していたのだが、いたって真面目な造りであった。
登場人物は、基本的には善人ばかり。
サミュエル・L・ジャクソンに拉致されて連絡が取れなくなった彼女を捜して除隊してきた彼があらわれたときは、もっとどろどろとしたことになるのかと思ったが、弱い人達が寄り添うのだった。
ひどい仕打ちをしてくるヒロインの母親も、結局は弱さからきていただけで、彼女もまた哀れな人だったわけだし。
作中で何度かジャクソンがブルースを歌うのだが、吹き替えでないのであれば、彼はなかなかに良い歌い手だ。
人の善意の映画なのだが、あまり爽快な気持ちにはなれなかった。
結婚はしたものの、パニック障害の彼と2人でこれからやっていけるのだろうか、と心配になる。
若い二人の不幸の本質的な部分の問題はまだ解決されていないわけだし、そんな二人に立ち向かっていく希望をみるのか、それとも、これからもたぶん辛い人生が待っているのだろうな、と同情して見送るのか。
私は後者でした。