2014年 イギリス 129分
監督:マシュー・ウォーン
出演:タロン・エガートン、 コリン・ファース、 サミュエル・L・ジャクソン、 ソフィア・ブテラ
ス-パー・スパイ・アクション。 ★★★
イギリス紳士然としたコリン・ファース。
その彼が無敵のスパイ・アクションをするという、ちょっと考えたらすごいミス・マッチと思えるイメージに引かれて鑑賞。
タイトルの”キングスマン”とは、どこの国にも属さない諜報機関の名前。
ハリー(コリン・ファース)は、自分を助けてくれた亡き友人の息子エグジー(タロン・エガートン)をエージェントにスカウトする。
エグジーは厳しい修練によって一流のエージェントに育っていく。
やがて彼らはバレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)という大富豪の陰謀と闘うことになる。
まあ、物語は単純明快。
難しい謎解きなんてまったくなし。頭空っぽで楽しめる映画(笑)。
(その代わり、深みも情感もなし。そんなものを求める映画でもなし。断言)
冒頭の場面から惹かれる。
高級ビジネス・スーツに身を包んだハリーが、イギリス紳士の必需品である洋傘 (アンブレラならぬガンブレラというらしい) を武器にして、圧倒的なアクションを見せてくれる。
あの上品な紳士のコリン・ファースが、だよ。
思わず、おおっ!と声も出るというもの。
しかし、監督は、あの「キック・アス」を撮った人。
それなりの注意は必要。
そう、ばんばんと情け容赦なく人が死ぬ。それも、スパッ! グシャッ! とグロい殺し方ばっかり。
すごかったのは教会での大乱闘、大殺戮場面。
コリン・ファースが、まあ、殺すわ、殺すわ。それも並の殺し方ではない。
銃を乱射して、ナイフで手足を切り、斧で頭をぶち割る、なんてのはまだ序の口。
折れた棒で喉を突き刺し、あげくには弾を打ちつくした拳銃を眼に突っ込んだりする。うへえ~。
面白かったのは、何かの会話で、憧れのエージェントはJ.B.だと、頭文字で応えるところがある。
そこで相手が、J.B.とは、ジェームズ・ボンドのことか、それともジェイゾン・ボーンのことか、と尋ねる。
答えは・・・、いや、ジャック・バウワーだ。
これには笑えた。
バレンタインの部下に義足の女殺し屋(ソフィア・ブテラ)がいる。
彼女の身体能力がすごい。
そしてつけているスティール製の義足がものすごい凶器になる。
身を屈めてのけぞったかと思うと、次の瞬間には跳躍して、相手をスパッと切り裂いている。
すごい。なんでも「スタートレック」の新作にも出演しているとのこと。
(以下、ネタバレ気味)
この映画で残念だったのは、主役がハリーではなく、エグジーだったこと。
おいおい、コリン・ファースが主役じゃなかったのかい?
最後まで彼が大活躍してくれたら、評価がもう少し上がっていたのに・・・・。