2005年 アメリカ 135分
監督:マイケル・ベイ
出演:ユアン・マクレガー、 スカーレット・ヨハンセン
汚染世界での管理社会を描く近未来もの。 ★★
快適に管理された施設で暮らす沢山の人々。外部世界はウイルスに汚染されており、完全に隔離された施設が彼らの全世界である。
そして、選ばれた者だけが未だ汚染されていないアイランドへ移住することができるというのだが。
(以下、すべてネタバレ)
途中までの施設での生活ぶりはそこそこの映像であったが、人間に臓器移植するためにクローン人間を製造している、というのは、よくあるパターン。
そこからどう掘り下げていくかだが、作品の基本となるそこからの考察が何もない。
作品としては、決定的に弱いなあ。
だから、ただのアクション映画になってしまった。
最後に解放されたクローン人間たちは、あれからどうなるのだろう?
植え付けられた偽の記憶だけを持っていて、外の世界には自分の元になったクライアントが別に居て。
どう考えたって、彼らにハッピエンドは待っていないとと思えるのだが。
もし、記憶まで完全にコピーされたクローン人間だったら、オリジナルを本物という根拠は何になるのだろう?
遺伝子も記憶も同じなら、クローンの方が本物になって、何故悪い?
と、ここまでくると、フィリップ・K・ディックの世界になってしまうか。