1973年 アメリカ 111分
監督:ドン・シーゲル
出演:ウォルター・マッソー
銀行強盗で奪った大金をめぐる騒動劇。 ★★★
チャーリー(ウォルター・マッソー)は銀行を襲いまんまと大金を奪うが、それはマフィアの裏金だった。
そのためにチャーリーは警察とマフィアから追われる羽目となる。
冷酷な殺し屋モリーがじりじりとチャーリーに迫ってくる。
銀行強盗と、それを追う警察と、マフィアの殺し屋と、3者の絡み合いがうまく出来ている。
さすがに時代の古さを感じさせるが、全く退屈することがない。
コメディアンだと思っていたウォルター・マッソーも、この映画では非常に渋い役をこなしている。
奪った大金の裏を知って困惑する表情が、なんともいえない絶妙の演技であった。
サスペンスものでは敵役の存在感が大事だが、追ってくる殺し屋モリーは十分に存在感があり、映画を盛り上げている。
足が不自由な小悪党を情け容赦なく痛めつけるところなどはハードボイルドであった。
見せ場はなんと言っても最後の平原での軽飛行機と車のバトル。
マッソーは飛行機で無事に逃げることができるかと思ったのだが、それだけに終わらないところがお見事。
かなり前の映画だが、犯罪もの映画の隠れた名作だと思う。