1975年 アメリカ 95分
監督:ディック・リチャーズ
出演:ロバート・ミッチャム、 シャローット・ランプリング
ちょっとウェットなハードボイルドもの。 ★★★
チャンドラーの私立探偵フィリップ・マーロウものの中でも有名な同名作を映画化している。
夜のロスの街なみ、低くながれる主題曲のジャズ、など、とにかくこの映画は、ハードボイルドでありながらウェットな雰囲気を楽しみたい。
ロバート・ミッチャムの眠たげな眼、ゆっくりとした語り口、それらがマーロウが背負った少し疲れた人生をよくあらわしている。
妖しげな魔性の女を演じているシャーロット・ランプリングもよい。
最近の私立探偵ものといえば、かなり派手なアクションなどが入って軽快なテンポですすむものが多いが、この映画では、とにかくじっくりとした夜に物語が沈み込んでいく。
謎解きも、最後におおきなドラマが待っている。
原作を読んでいれば当然知っている結末なのだが、大男ルロイの純情な思いに改めてうたれてしまう。
元気な昼間に観る映画ではありません。お酒を片手に、夜更けてから観る映画です。
良い映画です。