1959年 アメリカ
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ケーリー・グラント、 エバ・マリー・セイント
追いかけサスペンスの佳作。 ★★★
キャプラという男と間違われて誘拐された広告マンのロジャー(ケーリー・グラント)は、人違いと判明すると殺されそうになる。
なんとか逃げ延びたロジャーが真相を確かめようと国連ビルへ赴く。
すると、新たな殺人事件が起こり、ロジャーは容疑者にされてしまう。
人違いをされて、否応なく国際的な陰謀に巻き込まれていく男。
彼の必死の活躍を、次から次へと展開するサスペンスで見せてくれる。
50年近く前の映画なので、さすがにアクション風の場面は時代を感じさせてしまう。
だが、だからといって飽きるようなことはない。
当然CGはないので、最後の有名な岩山の場面などもセットだということがすぐにわかるようなちゃちな代物。
しかし、そんなことで映画の面白さというものは損なわれないのだということが、よくわかる。
巻き込まれ型のサスペンスは、主人公を一般市民に設定できる。
だから、観ている側も近親感を持つことができる。
それだけ物語に引きずり込まれやすくなる。
常套手段とはいえ、上手な設定だと思う。
謎の美女(エバ・マリーセイント)と一緒に過ごす寝台列車の雰囲気も良かった。
恒例のヒッチコック登場は、冒頭で動き始めたバスに乗り遅れる役だった。
ヒッチコック監督のサスペンス映画としては、「ダイヤルMを廻せ」とならぶ傑作でしょう。
(あ、「サイコ」は別格です。)