1987年 アメリカ
監督:ジョン・グレン
出演:ティモシー・ダルトン、 マリアム・ダボ
4代目007の第1作。 ★★★
4代目007としては当初はビアーズ・ブロスナンにほぼ決まっていたのだが、ブロスナンのTV出演契約の関係でティモシー・ダルトンに変更されたとのこと。
ダルトンとしては微妙なところ、結局2作でブロスナンに交代することになってしまったし。
ティモシー・ダルトンの顔の濃さは好みが別れるところだと思う。私はいまひとつ。
しかし、舞台俳優出身らしく、演技はしっかりしている。
007お馴染みのアストン・マーチンのスーパー・カーもレーザー光線は出すわ、ミサイルを撃つわ、氷上も走り回るわで大活躍する。
Qがなにげなく渡してくれた秘密兵器も肝心な場面でちゃんと役に立つ。
ただ、これらの荒唐無稽な小道具も、ロジャー・ムーアぐらいにお気楽な007なら似合っているのだが、ダルトンがあまりにも真面目そうに見えるものだから、かえって浮いてしまったような気がする。
KGBもCIAも出てきて、このころは敵味方の設定がやりやすかったのだろう。
あらためて20年の時代の変化を思ってしまう。
敵の殺し屋が非常にきれいな身のこなしで、恐ろしさと残酷さが際だっていた。
この俳優はバレリーナ出身とのことだが、やはりこの手の映画では敵が素晴らしくないと面白さは半減する。
ということで、主人公にはやや不満が残るものの、場面展開もスピーディで、ストーリーも一ひねりしてあり、007ものとしては期待を裏切らない出来映え。
とくに最後の大空でのアクションは、高所恐怖症の私は想像しただけで失神しそうになるぐらいの迫力であった。
しかし、ボンド・ガールって、みんなきれいなのに、誰もあとに残ってないなあ。どうしてだろう?