2002年、アメリカ、100分
監督:ポール&クリス・ウェイツ兄弟
出演:ヒュー・グラント、 レイチェル・ワイズ
軽いタッチの人間ドラマ。 ★★☆
幼児性を残して大人になりきれない中年独身男と、鬱病のシングル・マザーのために背伸びして大人びた少年の、二人の<少年>についての物語。
二人はそれぞれの下心があって知り合うのだが、やがて無意識のうちに相手を必要とするようになる。
子役の少年が微妙に可愛くなくて、ちょっとうざったい感じもあって、それが物語の展開によくあっていた。
いかにも、いじめられっ子になりそうなタイプとして描かれている。
演技も、話すときの眉を少し上げた表情とか、非常に巧みなだった。
そしてヒュー・グラント。いいなあ。いつものことながら、頼りない、どこか気のよい駄目男を演じて本領を発揮している。
女性をナンパしようとしたりするときの心の声が独白のように語られるのだが、なんと正直なことか。
どうしようもないぐらいに、いい加減、無責任、子どもっぽい。
そんな風に軽妙なところを見せているのだが、今回は少しテーマが真面目すぎたか。彼にはもっと気楽な設定の方が合うと思う。
大きな事件が起きるわけではない。
決まった時間に一緒にTVを観るとかの、小さな何気ない日常の繰り返しで少しずつ二人の気持ちが解け合っていく様が、観ている方にもゆっくりと伝わってくる。
最後は、ヒュー・グラントも一人ではなくなって、という感じのハッピー・エンドの場面なのだが、本当に彼はそうなれたのだろうか?
いや、そんな風に懐疑的に考える必要はない作品なのでしょう。