2023年 アメリカ 134分
監督:ジョナサン・ゴールドスタイン、 ジョン・フランシス・デイリー
出演:クリス・パイン、 ミシェル・ロドリゲス、 ヒュー・グラント
RPGの実写版。 ★★★
「ダンジョンズ&ドラゴンズ」といえば世界最初のロールプレイングゲーム(RPG)として有名。
テーブルゲームだったPRGは、やがてコンピューターゲームとなり「ウルティマ」や「ウィザドリー」が生まれた。日本ではファミコンの「ドラゴン・クエスト」「ファイナル・ファンタジー」へと受け継がれていく。
私も今はなつかしいPC98機で「ウルティマ」などをしていた。
(ちなみに、私のハンドルネームの”あきりん”は、幼かった子供たちと一緒に「ドラ・クエ」を始めた時に主人公に付けた名前)
さてこの映画はそんなPRGの物語を実写であらわしたもの。
冒険の目的は、殺されたエドガンの妻を生き返らせるために「よみがえりの石版」を手に入れること。
そのためにはひとつずつミッションをクリアしていかなければならないぞ。
PRGではいろいろな能力を持つ仲間とパーティを組むのがお約束。
もちろんリーダーは能天気な盗賊のエドガン(クリス・パイン)である。
そして彼の相棒は、頼れる女戦士ホルガ(ミシェル・ロドリゲス)。
それに加えて、どこか情けない魔法使いや、動物に変身できるエルフ。聖騎士も協力してくれるぞ。
ファンタジー世界が舞台なので、さまざまな種族やモンスターが生息している。
敵役は悪の詐欺師フォージ(ヒュー・グラント)と、彼と手を組んだ邪悪な(美しくて怖ろしい)魔法使いのソフィーナ。
いかにもという設定がPRGファンには嬉しい。
全体にコメディタッチであり、壮大なアクション場面とのメリハリが好く効いている。
たとえば、墓場に葬られている死者から情報を得たりもするのだが、なかなかに滑稽なやりとりもあり、楽しい。
(死者には5回だけ質問できるのだが、何故5回なのか? それがゲームのルールだから。なるほどね。)
そして強大なソフィーナの魔法を破るために、次には「魔法破りのかぶと」が必要になる。
といった具合に、PRGの要素をきっちりと踏襲している。
おまけに、ドラえもんの道具のどこでもドアみたいな「そこここの杖」も大活躍をするぞ。
こうして次々と冒険絵巻物が展開する。
好かったのはエドガンとホルガの関係。男女のベタついた雰囲気なんて皆無(まあ、ロドリゲス姐さんだからね)。
信頼しきった仲間同士、もうどこまでもその線でいるのがすっきりとしていて好かった。
敵の親玉があのヒュー・グラント。
かつては少しお間抜けな善良青年だった彼も、歳をとってすっかり老獪な人物に変貌してきている。
マシュー・マコノヒーとやり合う「ジェントルメン」での彼なんて、抜け目がなさそうで小狡いくせにまったくの意気地なし。もうぴったりの感じだった。
今作でも胡散臭さでいっぱい。ロマコメの帝王もいい歳の取り方をしたなあ。
さてクライマックス。ソフィーナに召還されたドラゴンがエドガンたちを襲ってくる。
そしてソフィーナを倒したものの、ホルガは敵の刃で命絶えてしまったのだ。
さあ、どうするエドガン?
家族で楽しめる一大ファンタジー・アクションものだった。
続編ができても好いなあ。観に行くよ。