1964年 アメリカ 119分
監督:ジュールス・タッシン
出演:メリナ・メルクーリ、 マクシミリアン・シェル
お洒落な味付けの泥棒もの。 ★★★
女泥棒エリザベス(メリナ・メルクーリ)が、イスタンブールのトプカピ宮殿からサルタンの宝剣を盗もうと計画して、仲間を集める。
45年も前の映画だが、犯罪ものの作品として、まさに傑作。
いろいろな特技を持つ仲間を集めて、厳重な警戒の場所からの盗みをおこなう、という設定は、のちのさまざまな映画に少なからぬ影響を与えていると思われる。
そしてこの映画の素晴らしいところは、その仲間の中に、巻き込まれ型のいい加減な人物を加えているところ。
当然のことながら、その人物は計画を危うくするように右往左往するわけで、観ているものに緊張感を与えると同時に、コミカルな味付けを加えている。
盗みのテクニックは、後年の有名映画がパクっているじゃないか、というほどによくできている。
お洒落な感じが全体にあり、舞台がトルコという異国雰囲気も、それに寄与している。
メリナ・メルクーリは妖艶なおばさまという貫禄を見せている。
さすがに今の時代に観ればテンポの遅さを感じるが、それでも最後の最後まで楽しく見ることができる。
(ちょっとだけネタバレ)
あっというような、予想もしていなかった小さな綻びから計画が破綻するところが小粋です。
そして、懲りない面々といったところがニヤリとさせてくれます。