1965年 イタリア
監督:マルコ・ビカリオ
出演:フィリップ・ルロワ、 ロッサナ・ポデスタ
お洒落な銀行泥棒もの。 ★★★☆
天才的な頭脳を持つ教授(フィリップ・ルロワ)の計画のもとに、6人の男たちがスイス銀行に保管されている金塊の山を狙う。教授の傍らには妖しげな美女ジョルジュア(ロッサナ・ポデスタ)が侍っている。
実行犯の6人が、お揃いのオレンジの仕事着で道路工事をしている場面で映画は始まる。
流れるスキャットのメロディが洒落ている。
ホテルの窓から望遠鏡で状況を見ながら教授が指示を出すのだが、その机の上にある無線機(?)が、なんとも時代を感じさせる代物で楽しくなる。
謎の美女役のロッサノ・ポデスタって、それほど好みではないのだが、妖しげな色気はばっちり。
見えそうで見えない(なにが?)衣装もばっちり。
とてもアナログな犯行方法なのだが、漫画のように上手くことははこぶ。
すると今度は、ぶじに奪った金塊をめぐっての仲間内での奪い合いが始まる。
あれあれ、教授も悪よのお。
やっぱり、美女はもっと悪よのお。
しかし、教授も情けないぞ。美女にいいように振り回されているではないか。
男の弱い面を、これでもかと見せつけてくれるねえ。
裏をかいて、そのまた裏をかいて、物語は二転三転するのだが、現代物のようにささくれ立ったところは全くなし。
裏切りながらも、そしてまんまと裏切られながらも、なぜかそれを楽しんでいるような雰囲気さえある。
泥棒映画なのにほのぼのとしている。肩肘を張って見るような映画ではない。固唾をのんでスリルを楽しむ映画でもない。
言ってみれば、ワイングラスでも片手にして、(可能なら美女を傍らにはべらせて)ソファでくつろぎながら観る映画。
すったもんだしたあげくのラストの画面では、思わずニヤッとさせられる。
で、当然のように続編が作られています。