あきりんの映画生活

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ターミネーター4

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2009年 アメリカ 119分
監督:マックG
出演:クリスチャン・ベイル、 サム・ワーシントン

近未来でのマシーンと人類の戦争。 ★★★☆

未来の荒廃した世界の描写は、抑えた色調と相まってリアルに映る。
戦闘場面の迫力も言うことなし。各種のマシーンの造型も優れている。トランスポーターから小型艇が分離するのには感心したし、あのオートバイのようなマシーンも格好良かった。

ただ、これまでのターミネーターの設定の面白さは、未来を代えるために現代へタイムスリップしてきた未来人の活躍、というところにあったのだが、T4ではそれは全くない。
舞台は「審判の日」も過ぎた未来に固定されていて、近未来のSF戦争映画である。
だからストーリーの踏襲はあるのだが、これまでのターミネーターとは全く別のシリーズと考えた方がよいのだろう。

(ちなみに、T3は不出来だったという声が多いが、私はあの女性型ターミネーターがけなげに見えて、なかなか気に入っていた。)

世界情勢が複雑に入り組んでいるので、政治的には敵というものを設定するのが難しい時代になっている。戦争映画という観点からすれば、こういった近未来で人類と対立するマシーンという戦争相手を設定したことは成功している。
どれだけ派手に相手をたおしても敵はマシーンであるし、倫理的にどうかと言うことを考える必要もないし。

もちろんターミネーター・シリーズの主人公はサラ・コナーとジョン・コナー母子なのだが、このT4での主人公はジョン・コナーよりも、むしろマーカスだったように思える。
マーカスが果たして味方なのか、敵なのか、マーカスは人間なのか、マシーンなのか。それを軸にストーリーが展開していく。
だから、もう一方でのジョン・コナーの活躍ぶりと、焦点がややぼやけてしまったのが惜しまれる。

終盤で、新しいT-800型としてシュワルツネッガーへのオマージュのようなターミネーターが登場してくる。ストーリーをつなげるためにはこうなるのだが、やはりこういうのは嬉しい。

未来の戦争ものとしては十分に迫力ある映像が楽しめる作品だった。
ジョン・コナーの父親はこれからどうなるのだろう? 
これから過去に戻って、サラ・コナーと知り合う? そしてジョン・コナーが生まれる?

(ネタバレ)
ひとつ分からなかったのは、マーカスを作ったあの博士は、なぜマシーンの味方をしていたのか? 彼女は未来も予知していたのだけれども、まさかマシーンが人間の敵となることは知らなかった?