2019年 イギリス 103分
監督: ポール・フェイグ
出演:エミリア・クラーク、 ヘンリー・ゴールディング、 ミシェル・ヨー、 エマ・トンプソン
クリスマスの恋物語。 ★★★☆
クリスマスの少し前に観た大人のためのお伽噺。
この映画はワムの同名曲をモチーフとしているとのことだが、寡聞にしてそちらは一度も聞いたことがなかった。
ロンドンのクリスマスショップで働くケイト(エミリア・クラーク)。
可愛いのだけれども仕事は投げやり。
私生活も乱れがちで、刹那的な男との出会いを考えているような感じ。
母親(エマ・トンプソン)との関係もぎくしゃくしていて、友だちの家に転がり込んではその生活を滅茶苦茶にしてしまう。
しかし、そんなケイトを店の女主人(ミシェル・ヨー)は可愛がってくれている。
前半のケイトの駄目女子ぶりといったら、目も当てられないダメダメぶり。
なんという非生産的な娘なんだっ!
もう嫌気がさして、これで可愛いエミリア・クラークでなかったら、観るのを止めたいと思ったほど。
実際、お店でのエルフ姿のエミリア・クラークはとても可愛い。
彼女といえば、「ターミネーター:新起動」のサラ・コナー役だったり、「ハン・ソロ」の恋人役だったりした。
しかしなんといっても彼女は今作が一番可愛かった。
ケイト役が彼女で好かったぁ。
そんなケイトだったが、大人しそうな青年トム(ヘンリー・ゴールディング)と出会う。
それも妙なところで何度も遭遇する。これは単なる偶然?
そしてその度に、落ち込んだりしているケイトをトムは元気づけてくれる。
いつもの街の、これまで知らなかった路地を教えてくれたり、ひっそりとした公園のベンチに案内してくれたり。
そんなトムに心惹かれていくケイトなのだが、何故か彼はケイトとの間に距離を置こうとしているようなのだ。
どうして? 彼は私のことをどう思っているの?
そして実はケイトには、人生観が根底からゆらいでいるある事実があったのだ。
それが明かされた時、ああ、彼女はそのためにあんな刹那的な生き方をしていたのか、とも思ってしまった。
たしかにそんな人生だったのなら、判らないでもないなあ・・・・。
トムの、小さな良いことを少しずつしていけば自分が変われる、と言う言葉が効いていた。
後半になるにつれてケイトはどんどん変わっていく。
母親や姉にも素直な気持ちを伝え、ホームレス支援のボランティアも積極的に行うようになる。
施設のクリスマスのチャリティパーティの場面は、定番の展開とはいえ、感動的だった。
(以下、ネタバレ第1弾)
途中からトムはひょっとしたら幽霊かもしれないとは思っていた。
ケイト以外の誰もトムとは接触していない。
そうにちがいない。しかし、それなら、何故トムはケイトのところにあらわれたのだろ?
(以下、ネタバレ第2弾)
しかし、彼女に移植された心臓の持ち主がトムだったとは思わなかった。
なるほど、そうだったのか。
最後に、トムが案内してくれた公園のベンチにひとりで訪れるケイト。
そこにあらわれるトム・・・。
何の予備知識もなしに観たのだけれども、クリスマスらしい温かな好い映画でした。