あきりんの映画生活

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「ア・フュー・グッドメン」 (1992年)

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1992年 アメリカ 137分
監督:ロブ・ライナー
出演:トム・クルーズ、 デミ・ムーア、 ジャック・ニコルソン、 ケビン・ベーコン

軍事法廷もの。 ★★★

日本では、自衛隊内部で起こった事件も普通の裁判にかけられるのだろうと思う。
しかしアメリカでは、軍隊内部での事件は軍事法廷で裁かれるようだ。
検察も弁護人も、そして裁判官も軍人。
アメリカ映画ではこの軍事裁判ものはかなりあるような気がする。

キューバに隣接する米軍海兵隊基地内で殺人事件が起きた。
正しくは殺人事件というよりも、2人の兵士がたるんだ奴にしごきをしたら、あっけなく死んでしまったという、まあ過失致死みたいなもの。
ただそこに殺意があったのではないかと問われる。

彼等の弁護をしようとする真面目軍人弁護士がデミ・ムーア
そして実際に弁護を担当するのが、要領だけがいいチャラいトム・クルーズ
デミもトムも戦地からは遠く離れて内勤ばかりしている軍人(このあたりが映画のキモ)。

一方、キューバに隣接している基地というのは、アメリカを守っている前線基地。
そこの司令官が憎々しい面構えのジャック・ニコルゾン。
葉巻を吹かしながら、平和ボケしているデミやトムをまるで馬鹿にしている。
銃弾が飛んでくる場にいない者には命令や規律の意味は判るまい、と言う。

ニコルソンの言うことも判らなくはない。そのあたりがやはりこの映画のキモ。
国を守っている自分たちには、建前だけの人道主義よりも、実践的な命令の方が大事なんだっ! 命令を守ることが国を守ることなんだっ!
前線軍人と後方軍人では考え方の基本がまったく違うわけだ。

チャラ男だったトムが、途中からはムキになって真面目になる。
ぎくしゃくしていたデミとも夕食デートをしたりするようになる。
ちょっと判らなかったのは、階級はデミの方が二つぐらいトムより偉かったはずなのだが、態度にその階級差があらわれていなかったこと。
そんなもの?

(以下、物語に触れています)

で、告訴された2人の兵士も、どんな理不尽なものであっても命令に従うことが一番大事なことだと信じている。
命令を実行したことによって死刑になろうと、命令を守ったという誇りがあるようなのだ。
でそれならば、命令が出されたことが明らかになれば、罪は兵士たちにあるのではなく、命令を出した者にある、ということになる。

まあ、真の罪人ははじめから憎々しげに登場しているのでわかっている(笑)。
彼をどうやって裁判で追い詰めるかというのが見せ場になる。

法廷でのトムとニコルソンの対決。
トムが熱くニコルソンに迫る。
ニコルソンも熱くそれに応える。熱く、熱く、応える。そして・・・。

映画のなかでは、好い人、悪い人がはっきりと決まっているので、すっきりと物語は終わっていきます。
はじめのうちは自分たちを弁護してくれようとするトムを敬おうしなかった兵士が、最後に、トムにぴしっと敬礼をします。
あの場面はよかった。