あきりんの映画生活

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「リオ、アイラブユー」 (2014年)

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2014年 ブラジル 110分
監督:(オムニバス)
出演:バンサン・カッセル、 ジョン・タートゥーロ、 ハーベイ・カイテル、 エミリー・モーティマー

オムニバス映画。 ★★☆

 

華やかな都会を舞台にしたオムニバス・シリーズ。
パリ、ジュテーム」「ニューヨーク、アイラブユー」ときて、今回はサンバのリズムがひびくリオ・デ・ジャネイロが舞台。
10人の監督が約10分のショート作品を撮っている。

 

パリ編は1話が約5分、ニューヨーク編は約7分だったから、今作の方がひとつのお話は長目。
しかも各物語の合間をつなぐような映像が入るので、確かにリオという都会を舞台にした様々な人間模様というひとつの作品のようにも観ることができる。

 

とはいえ、全く別々の人が撮っているのだから、物語は様々。
好いなと思うのもある反面で、これはつまらんというのも、当然混じってくる。
その感じでいくと、パリ編よりは面白さはかなり下がっていた。

 

始めは、エミリー・モーティマー扮するまだ若さの残る妻と車椅子生活の老いた夫の話。
バカンスで訪れたらしいリオのビーチで、穏やかだったひとときが突然に悲劇の瞬間を迎える。
悲劇は何気ない風をよそおって人に襲いかかるものなのだな。

 

リオを訪れた有名俳優は、タクシーの車窓から見た山に登ることを思いつく。
しかし、タクシーの運転手と一緒に始めたそれはとんでもなく危険な登攀だった。
ほとんど断崖絶壁である。そこを何の登山道具ももたずに登る。
まあ、お伽噺の類である。
やっと山頂にたどり着いた二人が見たものは・・・。
何が言いたかったのか、よく判らない物語だった(汗)。

 

交通事故で片腕を失ったボクサーと歩けなくなった恋人。
その恋人に歩けるようになる手術を受けさせるために、彼は賭け格闘技に身を投じる。
そんなある日、彼らにアメリカ人富豪がとんでもないオファーをもちかける。
果たして彼らの選択は・・・?

 

その他にも、ホームレス生活を謳歌している祖母に出会った孫の話、ヴァンパイアの老給仕が深夜の街でサンバを踊り狂う話、イエス様からの電話をひたすら待っている少年の話、などなど。

 

好かったのは、将来を嘱望されてリオを去ろうとしているバレーダンサーの話。
恋人でもあるパートナーと舞台で踊りながら、二人の仲を確認していく。
その踊りは大きな白布のむこうでおこなわれて、客席からは二人のきれいな肢体のシルエットだけが見えるという趣向。
二人の恋物語までもがきれいで優美な形を取っているようだった。

 

洒落た短編集を読んでいるような感覚で観ることができるこのシリーズ。
軽い気持ちでのオムニバス物が好きな人に向いています。