あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「世にも怪奇な物語」 (1967年)

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1967年 フランス 122分
監督:ロジェ・バディム、 ルイ・マル、 フェデリコ・フェリーニ 
出演:ジェーン・フォンダ、 ピーター・フォンダ、 アラン・ドロン、 ブリジッド・バルドー
   テレンス・スタンプ

3話のオムニバス。 ★★★☆ 

エドガー・アラン・ポー怪奇小説3話を3人の監督が競作している。その顔ぶれが素晴らしい。出演者も豪華。

第1話「黒馬の哭く館」はロジェ・ヴァディム監督。
当時の奥さんであったジェーン・フォンダと、兄のピーター・フォンダが主演。
わがままな伯爵令嬢と、愛するがゆえに殺してしまった男の魂が乗り移った黒馬の物語。
舞台となっている広大なフランスの田舎風景も美しい。

ヴァディム監督は、愛する美しい妻のコスプレを楽しんだのではないかと思えるほどに、薄物をまとったり、きりりとした乗馬衣装のジェーン・フォンダが魅力的。
同じご夫婦の快作(怪作?)「バーバレラ」が好きな人だったら必見でしょう。

第2話「影を殺した男」はルイ・マル監督。
こちらはアラン・ドロンとブリジッド・バルドーの共演という夢のような顔合わせ。
残忍で陰湿な青年が、正反対の性格を持つ同姓同名の男の存在に脅かされるという、ドッペルゲンガーを描く。

とにかく、美貌と残酷さは裏表。このことをもっともよく表現していたのがドロンだった。
端正な顔立ちのドロンが演じる酷薄で神経質な主人公が見せてくれる。

第3話「悪魔の首飾り」フェデリコ・フェリーニ監督。
この物語だけは舞台を現代にしている。
テレンス・スタンプが演じるかっての有名俳優は、いまや飲酒によって転落の一途をたどっているという、フェリーニらしい物語。

「8 1/2」にも通じるような、不思議な美少女を追いかける主人公の幻影が映像化されている。
靄に霞んだような夜の情景は、それだけで雰囲気を出してきて、崩れていく精神の恐ろしさを暗示しているよう。

それぞれの物語は40分足らずとコンパクトにまとめられていて、監督の持ち味がよく出ている。
1話ごとに楽しめたが、やはりジェーン・フォンダの魅力が1番だったかな(苦笑)。
それにしても、豪華な映画だった。