2015年 フランス 114分
監督:クロード・ルルーシュ
出演:ジャン・デュジャルダン、 エルザ・ジルベルスタイン
許されぬ恋。 ★☆
あの「男と女」のクロード・ルルーシュ監督が、50年後にどのような作品を撮ったのだろうかという興味から鑑賞。
少なからぬ不安はあったのだが、それは的中してしまった。
評価の低かった映画はわざわざ感想も書かないのだが、これはルルーシュ監督作ということで記録を残しておく。
舞台はインド。
映画音楽作曲のために、結婚を約束している恋人をパリに残してニューデリーへやって来たアントワーヌ(ジャン・デュジャルダン)。
彼は大使館のレセプション会場でフランス大使の妻アンナ(エルザ・ジルベルスタイン)と出会う。
二人は初対面の時からなんとなくお互いに引かれたような雰囲気なのだ。
ということで、子宝祈願にインド南部の村に出かけたアンナを追いかけて、アントワーヌも旅に出る。
う~ん、いくらインドののどかな風景が広がり、恋に浮き浮きしている二人だからといっても、どう考えたって、背景にどろどろの訳ありを抱えての物語。
それなのに、映画は主役ふたりの感情のうねりだけを、あっさりときれい事のように映していく。
そんなんでいいのかい?
(以下、ネタバレ)
旅が終わり、当然のことのように二人のそれぞれの状況は崩壊する。
アンナは離婚し、アントワーヌは彼を訪ねてインドまでやってきていた彼の恋人とも別れる。
そしてアントワーヌとアンナも別れる。
その数年後、二人はばったりと街角で再会する。
アンナは可愛い子どもを連れていた、アントワーヌという名前の・・・。
結局ルルーシュはいつまでも「男と女」を越える作品を撮ることはできなかったように思う。
というか、彼の一生は「男と女」に束縛されてしまっていたのではないだろうか。
処女作であまりにも傑作を撮ってしまうと、あとは辛いな。