2015年 イギリス 104分
監督:バハラット・ナルルーリ
出演:ピーター・フォース、 キット・ハリントン
諜報員もの。 ★★★
”スプークス”というのは諜報員とかスパイとかいった意味らしい。
この映画はイギリス諜報部5課、通称MI-5を舞台にしている。
007でお馴染みの第6課(MI-6)は国外を担当しているが、このMI-5は国内が担当とのこと。
元はTVのシリーズものドラマだったらしいが、映画としてしっかり作られていた。
CIAが国際指名手配していたテロリスト、カシムを捕らえたMI-5だったが、その護送中に武装襲撃され逃げられてしまう。
このままではテロリストの報復が始まるぞ。
なんとしてでもカシムを探し出して捕まえなくては。
カシムに逃げられた責任で解任されたハリーは自殺を図ろうとする。
しかし、これはMI-5内部にいる裏切り者を欺くための演技。
俺が必ず裏切り者をつきとめて、カシムも捕まえてやるぞ。そうだ、そのためにはあいつの協力が必要だ。
ハリーが呼び出して一緒に犯人捜しをしようとするのが、元MI-5要員だったホロウェイ。
しかし、ホロウェイにはちゃんとMI-5も目を付けていた。
その監視を振り切ってホロウェイと会うために、ハリーが手の込んだ段取りをする。
なるほど、こうして監視を振り切るのか、やるなあ。
ということで諜報員ものなのだが、ハリウッド製のような派手なアクションはほとんどなし。
ひたすらテロを阻止しようとする頭脳勝負の映画。
誰が嘘をついていて、誰が裏切っているのか。
どちらかといえば地味な印象なのだが、面白い。緊迫感が続いて惹きこまれる。
ついにテロ集団はMI-5本部に爆薬を仕掛ける(セキュリティが甘いんじゃないかい? 苦笑)。
しかしそのリーダーのカシムは結構な愛妻家だったりもする。
そして、ハリーたちに協力してくれているとばかり思っていた人が、実は敵側だったり・・・。
私は上からの命令でやっただけよ。それじゃ、上が裏切り者なのか?
CIAと通じて現在のMI-5を潰そうとしていた張本人は・・・。
最後、その張本人にハリーがあっというようなどんでん返しの鉄槌を下す。(ネタバレで言ってしまうと、ハリーに毒を飲ませようとした張本人に、ハリーは一計を講じて逆に毒を飲ませてしまったのだ)
おお、ハリーも非情に徹したのだね。
この映画はかなり限定的な公開だったようだ。
こんなに面白いのに勿体なかったなあ。