2019年 インド 151分
監督:シッダールト・アーナンド
出演:リティック・ローシャン、 タイガー・シュロフ、 バーニー・カプール
スパイ・アクションもの。 ★★★☆
インド映画も歌って踊っての楽しいラブコメディばかりではない(当たり前や)。
しかし、「踊るマハラジャ」からインド映画に入った者としては、どうしてもこのイメージは付いてくる。
そんな先入概念を覆してくれるアクション映画としては「タイガー 伝説のスパイ」があった。
おお、ハリウッドものにまったく互角の本格派やないか!
さて本作は、対外諜報部のトップ・エージェントのカビール(リティック・ローシャン)の突然の裏切りから始まる。
テロリストの狙撃任務に就いていた彼は、なんと指揮をしていた政府高官に銃口を向け直して、ズドン!
えっ、どうしたことだ。裏切り者のカビールを抹殺せよ!
ということで、カビールの教え子で部下だったハーリド(タイガー・シュロフ)たちが彼を追う。
リティック・ローシャンもタイガー・シュロフも筋肉もりもり。
鍛え上げた肉体をこれでもかと見せつけてくれる。
その二人が筋肉バトルはもとより、バイク・チェイス、銃撃戦と、次から次へとアクションを繰り広げる。
おお、後部ハッチが開いた貨物飛行機でのバトルも力が入るぜ。
(でも、みんな、どこかで見たような気がするなあ、なあ、トムよ、・・・なあんて言いっこなし)
言ってみれば、「ミッション・インポッシブル」に「ワイルド・スピード」と「007」を混ぜて3で割ったようなもの。
おまけに、インド映画お約束のダンス・シーンもちゃんと入る。
それに、インド映画お約束の美女(バーニー・カブール)もちゃんと登場する。
お得感満載。2時間半の長尺なので、途中で休憩タイムも入る(笑)。
ちなみに、主役の二人がこれでもかとキレッキレッに踊るシーンは、イタリアのアマルフィの海岸で撮られたとのこと。
ミラノからの150人を超えるダンサーを迎えての群舞だったとのこと。
すごい、お金もかけているなあ。
物語も現在進行形の追跡劇と、カビールとハーリドの思い出部分がミックスされて進む。
単調にならないように、うまく構成されている。
カビールはなぜ裏切った? その真意は? と謎解き要素もある。
(以下、ネタバレ)
インド映画には珍しく、登場人物のみんながハッピーな状態で終わるわけではない。
途中で、えっ、そんなぁ、この人が死んじゃうのぉ、という展開があった。
最後にも、えっ、そうだったのか、という、これまでのインド映画にはなかったような掟破りのまさかの真相があった。
とにかく、長さはまったく気にならない面白さでした。
それにしても、このタイトルはもう少し何とかならなかったのかねえ。