あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。1800本余りの映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「グランド・ブダペスト・ホテル」 (2013年)

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2013年  イギリス 100分
監督:ウェス・アンダーソン
出演:レイフ・ファインズ、 エドワード・ノートン、 マチュー・アマルリック、 シアーシャ・ローナン

サスペンス・コメディ。 ★★★☆

 

殺人事件がからむサスペンスものなのだが、どこかネジが1本外れている。
全体に夢物語のような非現実感がつきまとう。
それがウェス・アンダーソン監督の持ち味。その妙な愉快さを楽しむ映画。

 

グランド・ブダペスト・ホテルの伝説のコンシェルジュ、グスタヴ(レイフ・ファインズ)。
彼の完璧なおもてなしを目当ての上流な客でホテルは大繁盛している。
そのグスタヴのもとで働くことになったベルボーイのゼロ・ムスタファ。
映画は、後年のムスタファの回顧話として展開する。

 

ホテルはピンク色を基調として少女漫画のような雰囲気、調度品や衣装もお洒落でちょっとわざとらしくしている。
登場人物たちはしばしば正面を向いているといった構図。
そんなアンダーソン監督がくり広げる世界に入り込んでしまうと、遊園地で遊んでいるような楽しさにもなってくる。

 

ある日、グスタヴと懇意だった大富豪のマダムDが殺されてしまう。
そして彼女の遺言で名画「少年と林檎」がグスタヴに贈られることになったのだが、そのためにかえってグスタヴは殺人犯の嫌疑がかけられてしまう。
マダムDの息子は、名画を取り返そうとしてグスタヴに刺客を送ってくる。
こりゃ大変だ。逃げなくては。

 

こうしてグスタヴはゼロを釣れてヨーロッパ中を逃げまわる。
真犯人も突き止めなくては・・・。
物語はめまぐるしく展開して、謎の組織もグスタヴたちを助けて活躍する。

 

ただお洒落な画面と風変わりなコミカルさだけの映画ではない。
民族間の戦争問題を提起する場面もあり、ゼロの恋人の頬にはメキシコの国の形をした痣があったりもする。
これはトランプ大統領が登場する前の映画だが、アメリカの排他政策を批判しているようにもとれる。

 

とにかく脇役が豪華。
ちょっとしか出てこないメイドがレア・セドゥだったのを見つけたときはうれしかった。
ビル・マーレイもちょい役だし、エドワード・ノートンも脇役。
ジュード・ロウは始めと終わりしか出てこない。なんて豪華な俳優の使い方なんだ。
エイドリアン・ブロディウィレム・デフォーは判ったが、マチュー・アマルリックやハーベイ・カイテルは、言われてみれば、ああ、そうだ、という感じだった。
殺された富豪夫人Dがティダ・ウィルストンだったなんて、まったく気がつかなかった(汗)。

 

画面を観れば、すぐにアンダーソン監督の映画だと判ってしまう、それだけの個性があります。
夢物語のような突拍子さと、現実離れした絵柄は、さすがでした。
ベルリン映画祭で銀熊賞を、ゴールデングローブ賞で作品賞を、アカデミー賞では美術賞など4部門を受賞しています。