2019年 アメリカ 125分
監督:ジョナサン・レビン
出演:シャーリーズ・セロン、 セス・ローゲン
逆シンデレラ・ストーリー。 ★★☆
人は皆平等だというけれども、それは建前だということは誰でも知っている。
だからこそ、身分の釣り合わない恋愛もの、というジャンルがあって、それなりに人気もあるわけだ。
その手のシンデレラ・ストーリーの傑作といえば、やはり「プリティ・ウーマン」だろう。
そして男女の立場が逆だったのが「ノッティングヒルの恋人」だった。
あの映画では、女性はハリウッドの大スター、男性は市井の本屋さん、という設定だった。
この映画は、女性は次期大統領候補というセレブ、男性は新聞社を首になったダサい記者という組み合わせ。
正義感は強いのだが頑固なフレッド(セス・ローガン)は、その性格がアダとなって新聞社を首になってしまう。
そして彼は慈善パーティの会場で、幼い頃にベビーシッターをしてくれた近所のお姉さんシャーロット(シャーリーズ・セロン)に再会する。
彼女は華やかな美貌の国務大臣になっていて、しかも次期大統領候補だった。
フレッドの初恋の人であるシャーロットだったが、今や、高嶺の花。
ところがフレッドの文才を見込んだシャーロットからスピーチライターになってほしいとの申し出が来る。
やった! 夢のような話だぜ。
タイトルの「ロング・ショット」とは、”望みの薄い、困難な企て”とか”勝つ見込みの低い戦い”とかの意味のようだ。
そりゃ誰が見たって、超美貌の政界大物と、ダサい(いつも野球帽をかぶって安物っぽいスタジャンを着ている)小太り男では、釣り合わないよなあと思う。
しかし、なぜか二人は恋に落ちるのだ。
映画だからと言われてしまえば仕方がないのだが、どうしてシャーロットは恋に落ちるのだ?
どうしてあんなにすぐに燃え上がってしまったのだ?
当然のことながら二人の恋には障害がいっぱい。
大統領選に勝つためには政治的な駆け引きもやむなしと考えるシャーロット。
いや、そんなことをすれば本来の君ではなくなってしまうと反対するフレッド。
悪徳実業家が邪魔をしたり、プレイボーイのカナダ首相がちょっかいを出してきたり。
制作にも関わったシャーリーズ・セロンだが、彼女がが絶対にしたくなかったのは、フレッドとの恋のためにシャーロットがすべてをあきらめることだったそう。
そうか、それであんな(あり得ないような)ハッピーな結末になったのか・・・。
それにしても、フレッドはいつまでもダサいので、やはり恋愛ものの相手としては夢がなさ過ぎた。
それに、あまりにも自分の正義感ばかりを振りまわして、他人の立場を思いやる優しさに欠けていたのが、致命的だった。
なんでシャーロットはこんなフレッドを愛し続けているんだろ?と思うほど。
ということで、セロンお姐様の美しさは堪能できたのだが、映画の評価はそれほど高くならなかった。
もちろん、姐様がでていなかったら観ていないですよ。