1975年 アメリカ 127分
監督:ジョン・ヒューストン
出演:ショーン・コネリー、 マイケル・ケイン、 クリストファー・プラマー
冒険活劇もの。 ★★
ショーン・コネリーの訃報が入ってきた。享年90歳とのこと。
そこで、先日観ていた本作の感想を。ただ、評価はあまり高くならなかった(汗)。
舞台はアフガンのあたりか。
イギリス人の退役軍人の二人組、ダニエル(ショーン・コネリー)とピーチ(マイケル・ケイン)は、秘境のカフィリスタンで一旗揚げようと試みる。
そのために、酒と女を断つと互いに誓いを立て、冒険の旅に出る。
彼らはヒマラヤを越え、ついに秘境にたどり着く。
その地で未開の部族にイギリス式の軍事訓練をおこなって軍隊を養成し、カフィリスタンを平定していく。
(軍隊には射撃部隊もいたが、あの沢山の銃はどうやって手に入れたのだろう?)
秘境の地で夢を叶えるという、少年雑誌の付録に載っているような冒険活劇ものである。
ダニエルは王様になるどころか、アレクサンダー大王の末裔とされてしまう。
王様どころか、神様として崇められてしまう。おいおい、すごいことになってしまったぞ。
韓国映画には「王になった男」というのがあった。
あちらは、王様にうり二つの影武者が毒に倒れた王様の代わりになってしまう、という設定だった。
冒険活劇ものではなくて、ちょっとユーモラスな騒動を描く、という感じだった。
しかし、この映画が痛快で楽しめたかというと、どうももうひとつだった。
何が引っかかったかというと、つまるところ、ダニエルたちは武力を持って侵略したことになるのではないかと思えてしまったところ。
かってイギリスは世界中で植民地支配をおこなっていて、原住民たちは様々な面で搾取されていた。
そんななかで彼らはイギリス仕込みの軍隊を養成して、武力行使で王になろうとしている。
この白人至上主義のような設定そのものが、今の目で観たらあまりよろしくないなあ、ということになる。
これにはしばらく前に見たインド映画「マニカルニカ」の影響があるかもしれない。
あの映画は、イギリスの武力支配に抵抗するインドの女性闘士を描いたものだったから、被支配者視線で観ていたのだった。
結局は始めに立てた誓いに裏切られるようなことで、ダニエルは自ら死への道を歩むことになる。
私には、なんだかなあ、という結末だった。
ということで、映画の面白さに乗ることができずじまいだった。
ショーン・コネリーとマイケル・ケインは、さすがの演技であった。
ちなみに、ダニエルが破滅する原因となった東洋風美女を演じていたのは、マイケル・ケインの奥さんとのこと。へえ~。
アカデミー賞で脚色賞など4賞を獲っています。