あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「テネット」 (2020年)

f:id:akirin2274:20201229175345j:plain

2020年 アメリカ 150分
監督:クリストファー・ノーラン
出演:ジョン・デビッド・ワシントン、 エリザベス・デビッキ

逆行する時間。 ★★★★

 

あの「メメント」のノーラン監督の新作である。
あの「インセプション」「インターステラー」のノーラン監督の新作である。
前評判では、とにかく時間軸が錯綜して判りにくい映画だ、ということだった。
個人的には、「ダンケルク」がノーラン監督にしてはまともすぎたなという感じだったので、この映画には期待していた。

 

テロ事件での人質救出で大活躍をした男が、その適性を見込まれてあるミッションを託される。
それは、未来からやって来た敵と戦い、世界を救ってほしいというもの。
えっ、未来からやってくる? なに、それ?

 

実はテネットと呼ばれる組織があり、ある装置を使えば時間を逆行させ、人や物を過去へと移動させることができるという。
えっ、時間を遡る? なに、それ? そんなこと、できるの?
過去から未来へ普通に流れる時間の世界と、未来から過去へ逆に流れる世界が、混在するのか?

 

おお、これは邦画「ぼくはあした、昨日のきみとデートする」ではないか。
小松菜奈が泣かせてくれる映画だったが、まさにこの設定で、これを観ておくとイメージしやすくなるだろう(笑)。
ただしあちらは1日ごとに時間が遡るという設定で、映像が逆回しのようになることはなかった。
こちらは瞬間ごとに時間が逆行しているから、映像は順送りと逆回しが同時に映る。

 

未来からやってくる敵は第三次世界大戦を起こそうとしている。
それは何としてでも食い止めなくては!

 

映像はややこしい。物語も確かにややこしい。でもそこがこの映画の見どころ。
前半で見ていた映像は、後半では別の視点から見ると(逆行する時間軸で見ると)こうなる、といった種明かしもおこなわれる。
面白い。

 

たとえば迫力のカーチェイス
こちらは猛スピードの車で追跡していく。すると、後ろ向きで猛スピードで走ってくる車と遭遇する。
その車は時間を逆に進んでいるわけだ。
で、後半では主人公はその逆行する車に乗っていて、普通に追跡していた車と遭遇したりするわけだ。

 

最後までつじつまが合っているのか、合っていないのかもよく判らなかった。
しかしそんなことは問答無用とばかりの映像と設定で見せてくれる。
空間は折り曲げるし、時間は遡らせるし、やはりノーラン監督、只者ではない。
しっかりと魅せてくれました。