あきりんの映画生活

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「インターステラー」 (2014年)

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2014年 アメリカ 169分
監督:クリストファー・ノーラン
出演:マシュー・マコノヒー、 アン・ハサウェイ、 ジェシカ・チャスティン

壮大なSFドラマ。 ★★★★

さすがはクリストファー・ノーラン監督と言うべきか。
2時間半を超える壮大なSFドラマは、あの「2001年宇宙の旅」を思わせたりもするものだった。

物語の背景は環境の悪化した地球。
穀物は次第に取れなくなっており、やがて人類は滅亡しようとしていた。
そんなある日、元パイロットのクーパー(マシュー・マコノヒー)は、家の本棚で起きた不思議な啓示に導かれて、幼い娘のマーフと共にある場所へ向かう。

正直なところ、この出だしは少しかったるい感じだった。
状況説明部分はもう少しすっきりとさせて欲しかった。
もちろん、後につながってくる本棚のあたりとか、腕時計のあたりはきちんと見せておいて、だが。

クーパーがその場所で知ったのは、解散されたと言われていたNASAは、実は人類の居住可能な惑星を探索していたという事実だった。
そして宇宙の彼方へ向かう調査隊にクーパーは、生物学者アメリア(アン・ハサウェイ)らと共に参加することになる。
クーパーは、後に残す幼い息子トムと娘マーフに、“必ず帰ってくる”と約束する。
しかし、その約束は絶望的なものだった。

ここからは本格的SFとなる。
ワープを繰り返しながらクーパーたちの乗った宇宙船は、かっての調査隊からの信号が届いている星へ向かう。
地球の人類に残された時間は限られているぞ。

人類が生息できる星が見つかったとして、果たして人類が移住できるだけの時間は残されているのか。
この星での1時間は、地球では9年間(だった?)に相当するのpだぞ。
残された時間での移住が無理だった場合は、その星で新しい人類が生まれるようにするのか・・・。

亡くなっていく調査員がおり、宇宙船も破損していく。
人類の運命はどうなる? クーパーは何を選択する? アメリアの試みは成功するのか?
すべての謎とその解決を秘めているブラックホールの中には、何が待つのか。

後半になるにつれて、物語は否応なく濃密になっていく。
出だしのマーフが気づいた本棚のメッセージは、そういうことだったのか。・・・激しく気持ちが打たれる。

アインシュタイン相対性理論によれば、重力によって時間の流れは遅くなる、らしい。
また、たしか距離は時間だとも言っていたような気もする。
人々の上に容赦なく月日は流れるのだ。地球に残された幼かったマーフも少女になり、そして大人になっていくのだ。
このあたりまで来ると、もう、マーフに感情移入してしまって、切なくて切なくて。

時空を超えた者は、三次元世界に生きる人類にとっては、いわゆる”神”のような存在に思えるのだろう。
あの「2001年宇宙の旅」では、そのあたりは哲学的な映像であらわしていた。

それに比して、ノーラン監督は「インセプション」で見せたような、浮遊したような感覚の映像で迫ってくる。
それほどしかめっ面をせずに物語を展開してくる。さすが。

物語の決着の付け方は、いささか綺麗にまとめすぎたかなという感がしないでもない。
しかし、最後のクーパーの決意も気持ちのよいものだった。

本格派SF映画の傑作です。