あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「ジュリー&ジュリアン」 (2009年)

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2009年 アメリカ 123分
監督:ノーラ・エフロン
出演:メリル・ストリープ、 エイミー・アダムス、 スタンリー・トゥッチ

ほのぼの女性映画。 ★★☆

 

「めぐり逢えたら」「ユー・ガット・メール」のノーラ・エフロン脚本/監督の作品。
この監督は、女性には間違いなく受けるものを作る人というイメージがある。
本作も、50年前の遅咲きの料理家と、人生に悩む料理好きな現代の主婦が、レシピを通じて繋がっていく様を温かく描いている。

 

1949年、夫の転勤でパリで暮らすことになったジュリア(メリル・ストリープ)。
退屈だわ、何かしたいわ、そうだ、料理教室に通ってフランス料理を習いましょ。
名門料理学校に通い、その天衣無縫ぶりで作る楽しみ、食べる楽しみを追求していく。

 

ジュリアはちょっと変わった人物として描かれている。
思い込みも激しいようで、こうと思ったら他人のことなどあまり考えずに好きなことをしてしまう、そんな人物像。
そんなジュリアを夫(スタンリー・トゥッチ)は無条件に受け入れて愛してくれている。
ジュリアがあったのは、ひとえにこの献身的な夫がいてこそだった気がする。

 

さてその50年後、現代のニューヨークで鬱屈した生活を送っていたOLのジュリー(エイミー・アダムス)。
私も何か気分転換をしなくちゃ。そうだ、料理でもしてみましょ。
ということで、思いつきでジュリアが出版した料理本のレシピを作ってみることにする。
その本には524ものレシピが載っていたのだが、よし、このレシピを1年間で全部作ってみせるわ。
それを毎日ブログにアップしていくわよ。

 

エイミー・アダムスが可愛くてチャーミング。
時おりくじけそうになる彼女を、こちらも理解ある夫が支えてくれる。
そりゃ、こんな可愛い奥さんが毎日美味しい料理を作ってくれるのだったら、協力もするよな。

 

物語はジュリアが天真爛漫に料理を作り、念願のレシピ本を出版するまでと、50年後にそのレシピ本を参考にして料理を作るジュリーを、交互に描いていく。
単調にならずに物語がすすみ、これは上手いやり方だった。

 

自分だけの挑戦ということで始めたジュリア料理全調理だったのだが、やがてジュリーのブログは評判となっていく。
新聞に載るわ、TVのインタビューを受けるわ、の騒ぎとなっていく。
あら、あら、私は人気者になってしまったわ。やってみて好かった。

 

周りの友人たちも応援してくれて、1年後の最後の料理はみんなの拍手で迎えられる。
そんな友人の一人に、あれ、この女優さんはどこかで観た顔だなあ。
ああ、そうだ、「24」のクロエ・オブライエン役の人だ。あれは好い役どころだったので、よく覚えているぞ。

 

この映画は実話に基づいているとのこと。
実在のジュリアは、レシピ本と同時にテレビの料理番組の開祖でもあったという。
フランス料理の普及、そして料理人の育成に尽力したことで大統領自由勲章やレジオン・ドヌール勲章をもらっているとのこと。すごいな。

 

You tube で「Julia Child」で検索すると、ジュリア本人の実際の料理番組を観ることが出来る。
驚いたのは、メリル・ストリープがいかに大女優であるかということ。
その話し方、動作、雰囲気、どれをとっても本人そっくりなのだ。
なるほど、映画のなかでの(ちょっとヘンテコナ)あの癖のあるしゃべり方は、ジュリア本人風だったのだな。

 

そのジュリアがジュリーについて尋ねられて、不愉快だとのコメントを言ったというエピソードがあった。
実際にそう言ったのだろうが、その真意は何だったのだろう? ちょっと疑問として残った。

 

女性が観れば、ほのぼの感できっと満足すると思います。
そして、いつも優しく励ましてくれていたジュリーとジュリアの夫に比べて我が家の夫は・・・と思うかもしれません(苦笑)。