あきりんの映画生活

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「剣客」 (2020年)

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2020年 韓国 100分
監督:チェ・ジェフン
出演:チャン・ヒョク

ソード・アクション史劇。 ★★★

 

視力を失いつつある最強剣士の奮闘を描くアクションもの。
ひっそりと山の中で暮らしていたのに、最愛の娘が拉致されて、父親剣士の怒りが爆発する。
おお、韓国版無敵オヤジではないか(でも、48時間という時間制限はないぞ)。
これでもかというソード・アクションがくり広げられる。

 

舞台は17世紀の朝鮮半島
その頃、隣の大国である中国では明が衰退し、清王朝が覇権を握ろうとしていた。
朝鮮半島でもその余波を受け、それまでの国王が倒される。
国王の護衛兵だったユテル(チャン・ヒョク)は、王から託された遺児を自分の娘として山奥でひっそりと育てていた。

 

しかしかっての戦いの後遺症でユテルの視力は失われつつあったのだ。
そのことを心配した娘に促されて一緒に山を下りて都へ向かう二人。
その頃に悪逆非道をおこなっていたのが、朝鮮半島支配下に収めた清国。
ボスのクルタイに率いられた清の使節は、権力と武力をいいことに女性を拉致しては人身売買をおおっぴらにおこなっている。
可愛いユテルの娘も連れ去られてしまったのだ。

 

おのれ、亡き国王から託された娘に何かあったら許さんぞっ!
さあ、杖をついて尾羽打ち枯らしていたようなユテルの眼光が厳しくなる。
おいおい、よれよれのおっさんよ、痛い目に会わないうちにとっとと帰んな。
クルタイの腕自慢の手下が馬鹿にしてユテルに打ちかかり、あっけなく叩きのめされる。
何者だ、この薄汚れた男は・・・?
さあ、ここからだよ。

 

アクション場面全体の感じはどことなく「るろうに剣心」を思わせるものだった。
日村剣心の殺陣もそうだったが、ユテルは刀で切り結ぶだけではなく、跳ぶわ、蹴るわ、転がるわ、と全身を使って闘う。
主演のチャン・ヒョクは元器械体操の選手だったようだ。
そのせいか、体術も見事なものだった。

 

その刀も日本のものとはいささか異なっている。
ユテルの剣は先の方が二又に分かれているし、敵の武器も刃が持ち手の両方に付いている双頭刃だったりする(これは「るろ剣」にも出てきたな)。
半月状のチャクラムという武器を使う敵もいた。

 

終盤の山場は、敵地に乗り込んだユテルが一人で火縄銃部隊と戦うところ。
それこそ雨あられと襲ってくる銃弾を、かいくぐり、倒した敵の体を盾にして戦う。
すごいよ。

 

それに続いていよいよラスボスのクルタイとの対決である。
対集団戦の次はタイマン勝負で、変化をつけている。
このクルタイはいつも不敵な笑みを浮かべていて、本当に悪という感じがよかった。
やはり敵は憎々しげでなくては、ね。

 

勧善懲悪、派手に体術も駆使したソード・アクション。
るろうに剣心」あたりが好きな人には、超お勧めの1本です。