あきりんの映画生活

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「華麗なる殺人」 (1965年) レトロでお洒落

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1965年 イタリア 92分
監督:エリオ・ペトリ
出演:ウルスラ・アンドレス、 マルチェロ・マストロヤンニ

レトロなお洒落サスペンス。 ★★☆

 

近未来、闘争本能を満足させて戦争をなくすという目的で、公認の殺人ゲームがおこなわれている。
ハンターであるキャロレン(ウルスラ・アンドレス)に割り当てられた標的はポレティ(マルチェロ・マストロヤンニ)だった。
ゲームのルールとして、標的は、自分を狙うハンターが誰であるかを見抜けることができれば、逆に殺してもいいのだ。
さあ、キャロレンはポレティを殺すことが出来るのか。それともポレティの逆襲となるのか。

 

50年近く前の映画である。
殺し合いが題材といっても、映画全体はコミカルで、のんびりとした雰囲気である。
舞台となる街やリゾート地は明るく陽気な光で満ちあふれている。
近未来を意識したポップな女性の服装や建物の内装が、妙にレトロっぽくてかえってお洒落である。

 

敵同士である美男美女は、相手を出し抜こうとあの手、この手を使う。
そんな二人の殺し合いの場面を実況しようと、テレビ局も食指を伸ばしてくる。
実況前に番組を盛り上げるダンサーたちは予行演習をしたり。
殺人という陰惨な行為が、現実離れした全くの娯楽としてあつかわれている。
そのギャップがこの映画の持ち味。

 

ウルスラ・アンドレスは初代ボンド・ガールだった。
あの映画「ドクター・ノオ」では銛を片手に海から上がってきて登場したのだったが、この映画はその3年後の作品である。
下着も着けない素肌に、背中が大きく開いたかぶり物シャツ姿が、健康的な色気をみせている。

 

40歳という設定のマストロヤンニは、何と金髪姿である。
ソフィアア・ローレンと組んだいくつもの名作の印象があるせいか、彼はいつも女性に押され気味で、ちょっと困ったような風情をみせている。

 

この手の映画のお約束として、殺し合うはずだったキャロレンとポレティはいつしか惹かれ合うようになる。
そこにポレティの元妻とか愛人とかが機銃を手に襲ってきたりもする。
美女同士がすっちゃかめっちゃかに銃撃戦を繰り広げる。

 

真面目に観る映画ではありません。
今からの眼にはレトロモダンに映る小洒落たドタバタ劇を楽しみましょう。