2021年 アメリカ 95分
監督:レニー・ハーリン
出演:ピアーズ・ブロスナン、 ハーマイオニー・コーフィールド、 ジェイミー・チャン
凄腕泥棒の父娘。 ★★★
主人公は、盗みのプロフェッショナル集団の「ミスフィッツ」と、彼らと手を組んだすご腕泥棒。おお、好い設定なんじゃないの。
「オーシャンズ」シリーズは好きだったし、あの感じを期待して観ておこう。
ミスフィッツは極悪人から盗んだお金を弱者に与えることをモットーとしていた。要するに現代の義賊。
そんな彼らが次に狙ったのは、テロリストの資金源となっている金塊を盗み出すこと。
その金塊は、砂漠にある私営刑務所の中に隠されているらしい。
これは警護も厳しいし、一筋縄ではいかないぞ。
”ミスフィッツ”というのは元々ははみ出し者という意味らしい。
6人のプロフェッショナルが集まっているのだが、今度の仕事ばかりは我々だけでは心許ないなあ。
よし、あのすご腕泥棒を仲間に加えよう!
彼らは一匹狼の盗人リチャード(ピアーズ・ブロスナン)に声をかける。
しかし仲間の一人、ホープ(ハーマイオニー・コーフィールド)はそれに反対する。
駄目よ、パパを仲間に入れては駄目よ。あの人は必ず裏切るんだから。
さて、この父娘、どうなる?
砂漠に乗り込むのに、飛行機などで正面から行ったのではあやしまれてしまうぞ。そうだ、好い手がある!
彼らは、なんとラクダにまたがって砂丘を越えていくのである。
衣装はもちろんアラビアのロレンス風。流れる音楽も、あのモーリス・ジャールの名曲を思わせる。
思わずニヤリとしてしまった。
これで判るように、全体の感じは軽い。
砂漠の街では超高級車も手配して、ちょっとワイルドスピードっぽい雰囲気がある。
それに盗みといえばやはりオーシャンズ・シリーズ。それっぽい仕掛けもある。
でもどちちらも本家には及んでいないところがご愛敬。軽いんだなあ。
ブロスナンもそれなりのお歳になっているのだが、粋だねえ。
ちょい悪親父の見本のような格好良さは健在。
それに、ホープとバイオレットの2人の女性陣は、どちらも知らない女優さんだったが、なかなかに美形。好かったよ。
この作品の世評は芳しくない。
ある映画評誌による意見は「思い違いをしているベテラン監督とキャストによる退屈な作品」である。
しかし95分と短い作品で、私はそれなりに楽しみましたよ。