2021年 日本 137分
監督:前田哲
出演:永野芽郁、 石原さとみ、 田中圭
親子の繋がりとは。 ★★★
原作は本屋大賞を受賞した瀬尾まいこの同名小説(未読)。
4回も名字が変わった少女の人生が描かれる。
早くに母を亡くした小学生のみぃたんは、父の再婚で新しい母・梨花(石原さとみ)と暮らしはじめる。
梨花はみぃたんをとても可愛がってくれて、仲のよい家族だった。
しかし、父は不意にブラジルへ行ってしまい、みぃたんは義母と一緒に日本で暮らしはじめる。
石原さとみ演じる義母は、まあ、美しく華やか。
梨花が言い寄ればどんな男だって簡単に落ちてしまいそうな魅力を持っている。
そんな梨花がどうして子持ちの冴えない男に目をつけて結婚したのか。
はじめは何かよからぬ魂胆があるのかと思いながら観ていた。
ごめんなさい、違っていた。梨花は本当にみぃたんを可愛がってくれたのだった。
さて、もう一つの家族の物語も平行して描かれる。
義理の父・森宮さん(田中圭)と2人暮らしをしている高校生の優子(永野芽郁)。
複雑な生い立ちらしいのだが、淡々と高校生活を楽しみ、今は卒業式で皆の伴奏をするピアノを猛特訓していた。
それにしても、優子の母親はどうしたんだ? こんな善い人である森宮さんがどうして奥さんと別れるようなことになったのだ?
それに、実の父親はどうなったのだ?
梨花はみぃたんのために裕福な初老の資産家と再婚する。
この資産家がまた好い人。みぃたん母子のために損得抜きで援助をしてくれる。
客観的に見れば、みぃたんは実の両親とは離れて血のつながりのない父母と暮らしていくという大変な状況であるわけだ。
しかし、この映画に登場するのは好い人ばかり。
ジェットコースターのようにみぃたんの環境は変わるのだが、みぃたんも明るく育っていく。
一方の優子。
高校も卒業して社会人になり、恋をして結婚を考えるようになる。
これまで育ててくれた森宮さんのところから旅立つことになる・・・。
この二組の親子の物語がどうつながるのだろうと思いながら観ていた。
(以下、ネタばれ)
なるほど、そうだったのか。すっかりやられた。
優子の実の父親も明らかになる、二番目の父親も明らかになる。
なるほど、そうだったのか。
自由奔放で気ままに生きている女性の梨花が、どうして”みぃたん”にはあんなに愛情を注ぐのだろうと思っていた。
クライマックスにさしかかり、梨花の本当の思いが明らかになる。
そうか、梨花はそんな事情を抱えて心から”みぃたん”を愛していたんだ。
そして、あれだけみぃたんを愛してくれていた梨花が、どうしてみぃたんを置いていなくなってしまったのかという理由も明かされる。
好い映画でした。
石原さとみ、それに田中圭が好い役柄でした。
気持ちほのぼの映画でした。