1982年 アメリカ 109分
監督:ジョン・カーペンター
出演:カート・ラッセル
もう一つのエイリアン映画。 ★★★
本作の原作は「影が行く」という短編小説で、1951年に「遊星よりの物体X」として一度映画化されている。
さらに2011年には再リメイク作が作られている。
しかし一番有名なのはカーペンター監督の本作だろうな。
ノルウェーの南極観測隊が氷の中から巨大UFOを発見する。
実はそこには10万年前に地球にやってきた”それ”がいたのである(原題は単純に「The Thing」である)。
”それ”はノルウェー隊を全滅させると、犬の体内に侵入してアメリカ基地にやってくる。
ここから”それ”との戦いが始まる。
南極基地という閉ざされた空間なので、隊員たちには逃げ場はない。
戦うしかないのだが、”それ”は次々と宿主に形態を変えるのである。そして隊員たちに襲いかかる。
この設定が大変に上手い。
誰に”それ”が入り込んでいるかが判らない。お前は本物か、それとももう”それ”になってしまっているのか?
お互いが疑心暗鬼になる。
おぞましい”それ”、つまり物体Xの造形には感嘆する。
寄生していた宿主の皮膚を破って内部から現れる、その粘液でべとべとしていて、内臓むき出しのような肉塊。
もうホラー以外の何物でもない。すばらしいグロテスクさである。
とくれば思い出すのはやはり「エイリアン」の造形である。
あの「エイリアン」は本作の3年前、1979年の映画だった。
そして「エイリアン」の原作者ダン・オバノンは、ジョン・カーペンター監督と組んで奇想天外なSF映画「ダーク・スター」を制作した人物である。
本作と「エイリアン」が密接な関係を持っていても不思議ではない。
隊員たちの中心になって”それ”と戦うのがカート・ラッセル。
彼が大変に格好いい。
カート・ラッセルといえば、タランティーノ監督の「デス・プルーフ」とか「ヘイトフル・エイト」でのイカレタおっさんという印象が強かったので、へぇ~と思ってしまった。
寄生された隊員たちは次々に食い破られて死んでいく。
もし”それ”がこのまま生き残り、南極観測隊の様子を見にやってきた人に寄生してしまったら・・・、地球上の人類は滅んでしまう。
どうする?
(以下、ネタバレ)
最後に残ったカート・ラッセルともう一人の隊員は、自分たちも死ぬ覚悟ですべてを燃やし尽くす。
俺たちももう死ぬけれど、これで奴もくたばっただろう・・・。
最後、二人は氷の世界にぐったりと横たわっている。
あれ、カート・ラッセルは白い息を吐いているが、もう一人の息は白くないぞ・・・。これは・・・?