2019年 アメリカ 119分
監督:ハンス・ペテル・モラン
出演:リーアム・ニーソン
怒りの父親キレル! ★★☆
ポスターに大きく記された惹き文句は、”キレル”。
その通りにリーアム・パパがキレまくるのである。
ノルウェー映画「怒りの雪上車」のリメイクとのこと。
主人公は真面目に除雪作業をするネルズ(リーアム・ニーソン)。
その勤勉で実直な人柄は町から模範市民として表彰を受けるほど。
しかし、息子が薬物の過剰摂取で死んでしまう。
うちの息子に限って薬物だなんて、そんな馬鹿なことがあるものか。何かの間違いだっ!
こうしてひとりで息子の死について調べ始めるネルズ。
すると、地元の麻薬王バイキング率いるギャング組織が、裏切り者と間違えて息子を殺したことが判ってくる。
おのれ、この恨みはらさでおくものか。
ここからのネルズの豹変ぶりがすごい。キレルのである(汗)。
まずは、ギャング組織の一番下っ端の奴を痛めつけて殺してしまう。
死体は雪に閉ざされた激流に放り込んでしまえば判らねえよ。おいおい。
ネルズが飄々と作業をするものだから(殺しと、遺体処理、ね)呆気にとられてしまう。
そしてこの映画では人が死ぬと、いちいち墓標のように画面に表示されるのである。
これは、コーエン兄弟を思わせるブラックなユーモア感が漂っているぞ。
そうやってネルズはギャングの下っ端から順に情報を引き出していき、少しずつ中枢部に近づいていく。
ギャング団の方も慌て始める。今度はあいつがやられたぞ。
次々にこんな殺しをしているのは誰だ?
やがてギャング団は、因縁の対立をしていたネイティブ・アメリカンの仕業だと思い込む。
おのれ、このまま黙っている訳にはいかないぞ。あいつらをやっつけろっ。
当然、これだけ事件が起きれば警察も黙っている訳にはいかない。両方の組織をつぶすいい機会だっ。
この映画にはブラック・ユーモア感があると書いた。
それは、ギャング団とネイティブ・アメリカンが勝手にお互いを敵だと思い込んで争い始めるのに、騒ぎの当の張本人であるネルズは我関せずにひとりで黙々と復讐を続けるところなどにもあらわれている。
終盤になるとかなりのアクション場面も現れる。
やはり「96時間」でなくてもリーアム・パパは強かった(笑)。
リメイクされるだけの内容を持った映画でした。面白かったですよ。