あきりんの映画生活

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「リトル・シングス」 (2021年) 主役はいったい、誰?

2021年 アメリカ 128分
監督:ジョン・リー・ハンコック
出演:デンゼル・ワシントン、 ラミ・マレック、 ジャレッド・レト

連続殺人犯を追え。 ★★☆

 

アカデミー賞俳優で固めてるにも関わらず日本では劇場未公開。どうして?
鑑賞してみたら、なるほど、これでは配給会社もスルーするかな・・・。

 

若い女性を狙った連続殺人事件がロサンゼルスで起こっている。
事件の担当はバクスター刑事(ラミ・マレック)だったが、ディーク(デンゼル・ワシントン)も協力することとなる。
今回の事件は、かってディークが遭遇した殺人事件に似ているところがあったのだ。犯人は同一人物か?

 

よし、有力な容疑者を見つけたぞ。
あれ、容疑者が自殺してしまったぞ。これはどうしたことだ? 違ったのかな。
よし、被害者の部屋を最後に訪れていた奴を見つけたぞ。
あの電気店店員(ジャレッド・レト)が犯人に違いない。

 

前半のサスペンスとしての雰囲気はとても好い。
ところがこの映画の欠点は、途中からどんどんとしまりがなくなっていくところ。
おいおい、どうしてそんなことになるんだよ?

 

デンゼル・ワシントンは過去のトラウマを抱えていて、そのためにこの事件の捜査に関わっているという立ち位置。
いかにも訳ありげで思慮深いといった雰囲気を出している。
もう鉄壁の演技である。あまりに鉄壁過ぎて面白くないほど(汗)。

 

一方のレミ・マレックは役柄としてはちょっと軽過ぎたように思う。
「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のときも思ったのだが、彼は重く暗い雰囲気にはなじまない気がする。

 

容疑者役のジャレッド・レト、もうはじめから怪しすぎ(笑)。
見ている人はみんな彼が犯人だろうと思っている。
もう映画もそれを隠そうとはしていない。
ということは、この映画は、犯人は誰だ?という謎解きには重点を置いてはいないということだね。なるほど。

 

それもあってか、最後に向かうあたりから映画は妙にこれまでの物語から外れていく。
バクスターよ、いくらなんでも、サイコっぽい容疑者と二人だけであんな人気のない場所に行くか?
バクスターよ、どうして、気まぐれな容疑者の言いなりになってあちらこちらと死体を掘り起こそうとするの?
そんなの嘘に決まっているのに・・・。

 

(以下、ネタバレ)

 

結局、事件は何も解決していないではないか。
犯人の決め手となった赤いヘアピンも、バクスターをがっかりさせないためにディークが故意に入れたものでしょ。
真犯人はどうなったのだ?

 

これ、犯人捜しのサスペンスではなくて、トラウマに悩む刑事の人間ドラマだったのか?
観るときは、事件解決の爽快感を求めないようにしましょう。