あきりんの映画生活

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「プロジェクト・グーテンベルク」 (2018年) 騙し騙されのサスペンス

2018年 香港 130分
監督:フェリックス・チョン
出演:アーロン・クォック、 チョウ・ユンファ、 チャン・ジンチュー

贋札作りサスペンス。 ★★★☆

 

映画は、香港警察で取り調べを受けているレイ(アーロン・クオック)の回想という形で進む。
警察が捕まえたいのは、国際的偽札製造集団のリーダー“画家”。
彼について知っていることを話せ。彼は一体何者なんだ?

 

ここからレイの回想、というか、自白が始まるのだが・・・。
貧しい画家レイはどうしても評価が得られず、落ち込む日々を送っていた。
片や、恋人のユン・マン(チャン・ジンチュウ)は画家として成功への道を歩もうとしていた。
俺って惨めだなあ。どうしたらいいんだ・・・。

 

そんなときにレイは”画家”(チョウ・ユンファ)と出会い、偽札作りの世界に入り込んでいく。
”画家”の組織は厳しい掟で統率されていて、仲間は原版作りなどのエキスパートばかり。
レイは名画の贋作作りの腕前が見込まれたのだった。
さあ、これから新たに発行される100米ドル札を偽造するぞ。

 

前半は、偽札作りの過程を見せてくれる。
印刷に使うインクはこんな風に調合するのだ・・・、偽札の透かしはこんな風にして細工するのだ・・・。
そうか、偽札作りって大変な作業なのだと、大変に興味深いものを見せてくれる。

 

そして、冷酷無比なボスを演じるチョウ・ユンファ
ガン・アクションをしていても、いつもはどこかで柔和な笑顔を見せたりする彼だが、本作では徹頭徹尾、厳しい組織のボスである。

 

そんな彼が出ているのだから、銃撃戦場面があらわれないはずがない。
中盤になると、すさまじいガン・アクション映画となっていく。
悪が交錯するゴールデン・トライアングルで、偽札の売買をめぐっての争いとなっていくのだ。
もうこうなればチョウ・ユンファの独壇場である。登録商標の二丁拳銃だぜいっ!
銃の乱射は言うに及ばず、重火器が火を噴くわ、挙げ句の果てにはロケット・ランチャーまで飛び交う。

 

そして終盤。ええっ、そんな・・・?
始めの場面からレイの取調室に同席していた彼女はいったい・・・。
騙していたのは誰? 騙されていたのは誰?
えっ、恋人だったユン・マンて・・・。騙されたなあ!

 

(以下、ネタバレ)

 

ね、自白なんて信用してはいけないのだよ。
信頼できない語り手による物語、といえば、ほら、有名な**よ。
ま、画面ではチョウ・ユンファがばんばんと活躍するのだから、そりゃあ騙されるよねぇ・・・。

 

二番煎じというきらいがないでもないが、それでも面白い映画。
リアル偽札作り、銃撃アクション、そして騙されサスペンス、と一粒で三度美味しい映画でした。